腐れ縁【紫】 2 (ページ38)

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88 辰哉side ページ38

一緒に出勤した日から、しばらく一緒に過ごす時間が取れなかった。
繁忙期に入って、会社全体が忙しい。

プロジェクトの会議で週に数回顔を合わせることができるけど、それ以外は昼も会えたり会えなかったり。

今日は午前中に外回りに行かないといけないから、帰ってきたら9階で降りて、Aの顔見に行こうかな。

13時半ごろ、外回りを終え会社に戻る。
9階に着き、Aの部署の方へと歩き出す。

Aを見つけ、お疲れと声をかける。
その隣には見たことのない同年代くらいの男。
誰かわかんないけど、とりあえず挨拶しておくか。

深「お疲れ様です」

貴「あ、辰哉、お疲れ」

ニコッと笑って返してくれる。うん、今日もかあいいね。

Aの隣の男は俺を睨みつけてくるだけ。
挨拶くらいしろよ。社会人の基本だろ。と思いながらも

隣の男の存在を無視し、Aに今日何時に終わる？と聞く。

貴「今日？今日は…早くて19時半とかかな」

深「じゃあ待ってるから一緒に帰ろ」

貴「ほんと！頑張る！」

あー、癒される。

深「じゃあ後でね」

と声をかけ、頭をなでて9階を後にする。

Aの横から鋭い視線を感じたが、触らぬ神に祟りなし。とりあえず今は放置が1番だろう。