腐れ縁【紫】 2 (ページ18)

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あれからしばらく辰哉からの甘々攻撃が続いた。
社内のみなさんはその様子を見慣れてしまったようで、良いのか悪いのか、コソコソと噂されることはなくなった。

辰哉と週に2回は一緒にご飯に行くって約束をしたから、時間が合う時を見つけて、どこかしらに食べに行っていた。

辰哉の女の子のお財布理論に従い、奢ってもらっているけど、正直むず痒い。毎回律儀に家まで送ってくれて、おやすみって言って頭を撫でて帰る。

返事を急かされるでもなく、待ってるアピールをされるでもない。ただ、優しく、女の子として扱ってくれるだけだ。恋愛から遠ざかって長がった私も、さすがにかわす能力を身につけて来た。

でも今日はいつもと違う。

だって今日は蓮の出張の日。
ということは、辰哉が家に来てご飯を食べる日。

慣れてきたとはいえ、家に来られるとなるとやっぱりドキドキはするもので、昨日はいつもの3倍くらい掃除した。

定時5分前。メッセージが来る。

深「終わったよぉ！わら」

貴「私も」

深「じゃあ、下降りるねぇ」

貴「うん」

辰哉喜んでくれるかな。
美味しいって言ってくれるといいな。