腐れ縁【紫】 2 (ページ14)

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一睡もできずに朝が来た。
ついこの前睡眠不足も関係して熱出したのに、睡眠不足に拍車をかけるようなことを…。

でもね、私思うんです。
これは私のせいじゃない。

眠い、けど仕事は仕事。
テレビで天気予報を確認する。

あれ、今日はいつものお姉さんじゃないのか。
ふーん、新しい担当はお兄さんなのね。

爽やかな笑顔で素敵ですねぇ。
"では、今日のお天気をラップ調でお伝えします！"

え、やば、何この人
担当初日からぶっ飛んでるわ。

" yo,yo,

上空の方に気圧の谷出現、この後曇りのち雨

　yeah,yeah!!"

"それでは今日も、元気にいってらっしゃ〜い！"

いや、とんでもないなこの人。
最後なんかいってらっしゃいって言って手振りながら頭コテンってしてたぞ。

目「いやぁ、俺阿部くん好きだわ」

蓮が冷蔵庫から水を取り出しながら言う。

貴「…阿部くん？」

目「その気象予報士さん」

どうやら彼は阿部くんという名前らしい。
それにしてもどうして蓮は彼の名前を知っているのか。
名前が紹介される時にはリビングにいなかったはず。

貴「なんで名前知ってんの」

目「え、俺の先輩の友達」

世間って意外と狭いもんなのね。

そんなこと考えてる暇ないわ。
急がないと遅刻する。