腐れ縁【紫】 2 (ページ11)

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それからのことはよく覚えていない。
ただ、辰哉の纏う雰囲気が、蓮の車の中で頭をなでられた時と同じくらい、いやそれ以上に甘くて、こっちが溶けそうになるくらいだったのは何となく記憶に残っている。

ちゃんと会話は成立していたんだろうか。

家に帰るまで、何なら帰ってからも心臓が口から飛び出るくらいバクバクしてて、おかえりーと言った蓮の声も私の耳には届かない。

目「おい、おかえりって！」
　「姉ちゃん！！おかえり！」

貴「、、ああ、あぁ、、れんただいま」

目「大丈夫かよ、またぶっ倒れるとかやめろよ」

貴「ごめんごめん、わたしおふろはいってもうねるね」

目「なんか日本語おかしくね」

目「それにキモいよその顔」

普段だったら反論もできるけど
今日はそれどころじゃない。

お風呂に入っても、髪を乾かしても、歯を磨いても、ベッドに入っても辰哉のことが頭から離れない。

"俺と付き合ってくれ" "お前のことがめっちゃ好き" という言葉がずっと頭でこだまする。

すると突然蓮が私の部屋に入って来た。

目「姉ちゃんあのさ、辰哉くんが、、」

蓮の口から辰哉の名前が出て思わず肩がビクッと上がる。
そんな私の様子を見て、蓮がニヤっと笑った。

目「ふはっ、分かりやすっ！2人揃って分かりやすいとか面白すぎる笑」

貴「な、なに！たすや、辰哉がなんだってさ！」

目「噛んでるし笑」

目「いや、辰哉くんが"3人で行く飯、蓮が出張から帰って来たらにしよう"って」

目「ちゃんと予定空けとけよ」

って言うもんだから
とんでもなく小刻みに頭を上下に振って頷いておいた。

目「やぁばいって笑

　いやぁ、これは見ものだな笑」