腐れ縁【紫】 (ページ34)

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34 辰哉side ページ34

Aとは小さい頃から一緒にいることが多かった。

実家が近所で、同い年だったから親同士も仲良くて。
家族ぐるみの付き合いだった。

俺にとっては隣にいるのが当たり前で、
中学から高校に上がるとき、進学先が違うと聞いて驚いた。

まあでもあいつ頭良かったし、運動も出来たし…
何でもそつなくこなすタイプだったから、俺なんかじゃ到底届かない高校に行くのも無理なかった。

高校でめちゃめちゃモテてた俺は、色んな子と付き合ってみたけど、なんかしっくり来なくて、長続きしても3ヶ月が限界だった。

テスト期間はAに頼み込んで勉強を教えてもらっていたから、高校でも交流が途切れることはなかった。

思い返せば、この頃から俺はAのことが好きだったのかもしれない。
2人で過ごしていても気まずい空気なんて流れないし、寧ろ喋らなくても心地がいい。

慣れているからなのかもしれないけど、隣を歩いても違和感を感じない。

それに、今まで全然気にしていなかったけど、Aの顔は綺麗だと思う。
高校生になると、自分の交友関係が一気に広がるけど、それに比例してあいつの顔の良さが際立ってきた。
ほら、灯台下暗し的なやつなのかな？

でも、この関係を崩したくはなかったし、Aも高校生の頃は彼氏がいなかったから、結局は俺とずっと一緒にいるだろうって、正直今のポジションに胡座をかいていたところはあった。