腐れ縁【紫】 (ページ12)

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傘を広げ歩き出すと、突然スッと綺麗な手が私の手に重なった。

深「貸して、A大変でしょ笑」

確かに腕は痛いですけどね。
普段猫背だし、こんなに近づくことがないから何してなかったけど、この人何気に身長高いんだよね。

深「あれ、Aってこんなに小さかったっけ？笑」

貴「いや、うるさ」

深「普段、松もっちゃんと一緒のとこばっかり見るからさ、改めて見ると意外と小さかったわぁ笑」

貴「女子の中では高い方だけどね」

しばらく歩いていると酔いも完全に覚めて
辰哉の家が見えてきた。

マンションのエントランスまで送り届ける。

貴「よし、じゃあお疲れ、傘ちっちゃくごめんね」
　「右肩すごい濡れてるからちゃんと拭きなね、じゃあ」

深「おー、ちょいちょい、お姉さん待ちなさいよ」
　「そのびしょ濡れのまま帰る気？」

貴「ん？ああ、まあ大丈夫でしょこのくらい」
　「家まですぐだし」

深「だーめだって、風邪ひくぞ」
　「タオル貸してやるから、ちゃんと拭いて」

貴「いや、いいよ、どうせまた濡れ、、って、ちょっ！」

どうせ雨の中また濡れるからいいよって言おうとしたら、そのまま腕を引っ張られてエレベーターまで連れていかれた。