幸せって…？ (ページ49)

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亮side

その日もおとんと章ちゃんと

3人で一緒に布団に包まって寝た。

今日もおとんに抱きついて寝ようとか思ったけど、

ちょっと恥ずかしい気もある…。

でも、1人じゃ心細い！

なんかおとんって安心するよなー。

やっぱり抱きついて寝よう(笑)

それから次の日、また隆平くんの家に行くと、

今日は、また知らんお兄さんが1人おった。

「あ！双子ちゃんいらっしゃーい！

紹介するわな！

僕のお兄ちゃんの、信ちゃんやで！」

って隆平くんが、紹介してくれた。

「横山信五やで。

双子ちゃんの章大くんと亮くん、よろしゅーな！

昨日は、うちの兄が迷惑かけたな、ごめんやで。」

って言うて、俺と章ちゃんの頭をガシガシ撫でた。

章ちゃんと俺も、

昨日のことでしっかり謝った。

「じゃ！信ちゃん！

僕は双子ちゃんと、出掛けてきます！」

「いってらっしゃい！」

って信五くんに見送られて、

おかんが住んでる家に荷物を取りに行った。

まぁ、俺は宿題よりゲームを取りに行く！

それから、いくつか電車に乗って家に着いた。

昨日、章ちゃんと

おかんに会ってもむすっとした顔する

って半分ふざけて言うてたけど、

実際に家の前に立ってみると怖い。

隆平くんは気を利かせて、

「僕は家の外におるわな。

何かあったら言うて？すぐ入るから。」

って言うて、ちょっと後ろに退いた。

…俺は足が震えて歩かれへん。

そしたら章ちゃんが

「入ろう？大丈夫やから。」

って言うて手を繋いできた。

章ちゃんが持ってる家の鍵で中に入ったけど、

家の中を見渡しても、

おかんはおらんかった。

またいつものように出掛けてるんや

って、ショックな気持ちと

おかんに会わへんかったホッとした気が

同時に起こった。

隣の章ちゃんもなんとも言えん顔をしてた。

とりあえず、必要な宿題やらゲームやらを持って、

家を出ようとした時、

「まぁ、お母さんに会われへんかったけど、

昨日言うてた、隆平くんに相談しよう

っていう話の前にお母さんに会っても、

何もでけへんかったと思うから、

まだ会わへんくて正解やったと思うで？

亮、そんなに落ち込まんといて。」

って、章ちゃんに言われて初めて

やっぱり、おかんに会いたかったんやって気持ちが

無意識にあったことに気付いて

泣いてしまった。