幸せって…？ (ページ42)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:72,799 hit

42 ページ42

章大side

裕さんが僕らに向って、怒って睨んできた時は

さすがに睨み返したけど、

「お前ら調子に乗るのもいい加減にせぇよ。」

って言われた瞬間、

僕らが悪いことしたことに気が付いた。

でも、気付くのが遅すぎた。

亮が殴られてめっちゃ心配やけど、

裕さんの気持ちもよく分かる。

そりゃあ、他人の家で面倒みてもらってるのに

言うこときかへん子供なんて

嫌に決まってる。

だから、ちゃんと謝らなあかん。

謝るのんをめっちゃ拒否してる亮を引っ張って、

裕さんの部屋の前に着いた。

ノックしようとした瞬間

亮は、僕の手からスルッと抜けて

リビングに逃げて行った。

しゃーない、一人で行くか。

ドアをノックしたら

「なんか用？」

って返事が返ってきたから、

「すみません、お邪魔します。」

って言うて入った。

「さっきは騒いでしまってごめんなさい。」

って頭を下げて、謝った。

そしたら、裕さんが

さっきの怖い顔とは裏腹に、

ちょっと照れた感じで、

「…えっと。

俺も普通に注意したら良かったのに、

怒鳴ったり、手まで出してもうてごめん。

こんなん言うたら、

言い訳にしかならへんけど、

つい頭がカッとなってしまって

気がついたら自分じゃないみたいな感じがして

亮くんに向って手が出てた。

俺って、ほんまに大人気ないよな。

俺、弟二人もおるくせに、

子供の面倒とかほんまに

どうやってみたら良いか分からんねん。

なに考えてるか、子供ってよく分からんから、

そういう分野が得意な隆平に

いつも任せっきりやってん。

…ちゃんと亮くんにも謝らなあかんな。

殴ってしまった所、亮くんは大丈夫やった？」

って僕にめっちゃ話してくれた。

色々事情があってんなぁ。

「はい、大丈夫やったと思います。

裕さんの事情が知れて良かったです。

今はちょっと、亮は話できる状態じゃないけど、

僕から話つけときます。」

裕さんって悪い人じゃないんかも。

裕さんと亮がお互いに謝ったら、

裕さんとも、打ち解けられるかも。

とりあえず、亮に話をつけなあかんな。