＊癒えないトラウマ２ ページ17
｢っ？！…はぁ、はぁ…っ。｣
私はベッドから勢いよく起き上がり、ぼんやりしている意識を取り戻そうと、片手で頭を抑える。
咄嗟に周囲を見回し、自分の家ではない事に気が抜けたかのような安心感を覚える。
夢…か。良かった……。
不規則に、荒く呼吸している息を胸元を抑えながら整える。心臓が酷くバクバクしてて、非常に居心地悪い…。抑えようにも、呼吸は普段のように安定せず、時々過呼吸のような高い声が出ている。
しかしあの夢がバッと思い出し、体は震え、パニック状態に陥り、隣の部屋に響かないように声を抑える。
少しずつ、声が抑え体の震えもやや落ち着いてきた。
髪をかきあげると、汗が滝のように出ており私はそこにあった清潔なタオルで顔を拭く。そのお陰で、少し心が和らぐ。
最悪の目覚めだ…久々に見てしまった昔の記憶、いやこの世で一番見たくないトラウマが…。
ここの所、ヒロトさんといる幸せが長く続いていたせいかあの悪夢のような夢を見ることが少なくなっていた。
忘れたくても忘れられない忌まわしい記憶…。
過去の記憶は、私の全てを脅かす。
…久しぶりに見てしまったせいか、体がとてつもなく重く感じる。
お父さんに殴られた感覚が今も生々しく残ってる。まるで昨日起こった出来事のように蘇る。
目元を擦ると、透明の雫が指先に乗っていた。
夢でも現実でも泣いている…。
脳裏全体に支配されているような圧迫感が私を襲う。
もう嫌だよ…こんな夢、もう見たくない…。いつもそう願っているけど私の心には癒えないトラウマが深く植え付けられている。
この悪夢を見てしまうと、必ず体調がおかしくなる。身体的にも精神的にも…。
ふと時計を見ると、朝起きる時間はもうそこまで来ていた。
とりあえず、ちゃんと息を整えないと…仕事をこなさないといけないし、皆に変な気を遣わせるわけにはいかない。
特にヒロトさんには…。
重い体をベッドから起こし、洗面所にある鏡を覗くと、顔色はお世辞にも良いとはいえない。元々健康的ではない肌色だが今日は一層と青白く見える。
平常心を保つんだ…今までの私なら出来るはず。迷惑かけちゃ駄目な人間なんだ。迷惑かけたら私の居場所がなってしまう…。
何事も無く、平穏な日常を過ごすんだ。両頬を軽く叩き、顔色の血色をよくさせる。
すぐさまマネージャーの服に着替え、足音一つもしない静かな廊下に出る。
精神力を落ち着かせるため、食堂で一旦お水で飲んで心を落ち着かそう…と。
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アニオタ - 初めまして、作品読ませて頂いてます。ヒロト凄い夢主ちゃんにベタ惚れですね。読んでて微笑ましいし和みます。これからもヒロトが変わらず夢主ちゃんに愛情を注いでいく様子を温かい目で見守らせてください。これからも更新頑張ってください。続きを楽しみにしてます。 (2020年8月30日 11時) (
レス) id: 4bb6e8f6df (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - 星もなかさん» 返信遅くなって申し訳ございません…わざわざコメントして下さってありがとうございます！体調管理に気をつけて頑張っていきたいと思います(^^♪ (2020年8月28日 13時) (レス) id: 792f1a5f44 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - おい…………………………………これ完全に忘れてるだろ（笑） (2020年8月28日 8時) (レス) id: 0dcd5b296d (このIDを非表示/違反報告)
星もなか(プロフ) - 初めまして、ヒロトかっこよすぎませんか？！もう惚れました！これからもお身体に気をつけて頑張ってください！応援しています！ (2020年8月19日 22時) (レス) id: 70c50fe7f0 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - となりの青華さん» コメントありがとうございます！とても励みになります…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2020年7月12日 2時) (レス) id: 792f1a5f44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年11月11日 23時
