深愛３７ ページ37
吉良｢おし。着いたぜ。｣
暗闇の山道を歩き続け、森林を抜けた矢先にあったのは海が辺り一面見渡せることが出来るそびえ立つ崖に辿り着いた。
恐る恐る崖の下を除くと何メートルあるのだろうと思うくらいの位置に立っていて、波が立つ音がすっと耳に入る。
思わずその先を歩み寄っていると、何か強い力で引っ張られた。
吉良｢あんま身乗り出すと危ないぜ？この辺で止まっとけ。｣
グイッと彼に腕を掴まれて、強引ながらも加減をしてくれているように引き寄せられる。
……暫く景色をぼんやり眺めていると、私はふとさっき彼が言っていた言葉が蘇った。
私から切り出したほうが良いのかな…？
でも…大事な話というのが気になる。
ここは思い切って、彼に聞いてみようかな。
｢あの…吉良さん。大事な話というのは…何でしょうか？｣
私の言葉に、彼は私の目を見た。一瞬にして、吉良さんの表情がガラリと変わった。
美しい景色が見れ満足そうな笑みが消え、何かを決断したかのような真面目な表情になっていた。
すると、吉良さんはゆっくり動き始め、私に背を向け少しだけ距離を離していた。
ズボンのポケットに手を入れたまま、その場で立ち止まり、彼の大きくて逞しい背中を向けたまま暫く間、何も話さず無言の時間が続いた。
何かを考えているような素振りを見せているように思える。
…正直、吉良さんの考えが今でもよく掴めていないためかこの後何を言われるのか、全く予想がつかない。
しかも夜に、増しては森の深くの崖付近まで私を連れてきた理由とは一体何なんだろう…？
どこからともなく現れた風によって、吉良さんのふわふわの銀髪が柔らかく揺れている。
吉良｢…A。｣
私達の間にあった沈黙を破り、落ち着いた口調で私の名前が呼んだ。
そして、ゆっくりと振り返りズボンのポケットから手を出し、私と向かい合わせになった。
月光に照らし出された彼の銀髪をなびかせながら、彼は私と目を合わせた。
その時見た吉良さんの清らかなで真っ直ぐな瞳に目を奪われ、羞恥心を覚えつつ彼と真正面で目を合わせた。
吉良さんは、何かを言いたげな表情に見え彼から言葉を発するのを待つが、彼はなかなか口を開かなかった。
彼の薄桃色の透き通った瞳に目を奪われ、数秒間沈黙の時間が続いた。
吉良さんに見つめられると、鼓動が患いくらいドキドキしてしまう。
そして…ようやく彼は、閉じていた口をゆっくり開き始めた。
吉良｢俺は…お前が好きだ。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
