深愛３５ ページ35
暫くして、目的地の駅の着き、私達は電車から降りた。
宿舎に帰ろうとした時、吉良さんの足が止まった。
何かを言いたげに少し俯いていた。
｢…どうかしましたか？｣
問い詰めると、彼はゆっくり顔を上げ口を開いた。
吉良｢今日は、お前に話がある。｣
迷いを感じさせないはっきりとした口調で私に向けた。
｢な、何でしょうか？｣
吉良｢誰にも聞かれたくない内容なんだ。…とにかく大事な話だ。｣
言い終わった直後、彼は私に背を向けながらズザッという砂の音を鳴らしながら足を少し動かしていた。
吉良｢行きたい場所があるんだ。……俺と一緒に来てくれるか？｣
背を向けられながら、吉良さんは口を動かした。
その声は、どこかふんわりでとても優しい声はだった。
｢…わ、分かりました。｣
普段の軽快そうな口調が消え、どこか真剣そうなオーラが背中から出ているように見えた。
私は彼を追うように、隣に移動し吉良さんに付いて行った。
▼
歩き始めて数分、お互い何も話さず終始無言の時間が続いていた。
チラッとふとした時に目を動かすと、彼のふわふわした銀髪を揺らしながら歩いている。真顔でもなく少しだけ笑みを浮かべているように伺える。
何も話さず前方を見つめ続けている吉良さんの横顔に、違和感ばかり覚えていた。
普段は吉良さんの方から話しかけてくれることがほとんどだが、本人は今そんな気分ではないのだろう。
何か…考え事でもしてるのかな…？
興味本位で無意識に吉良さんを凝視していると、視線に気づいたのか彼は私の方を見た。
吉良｢どうした？｣
｢えっ、あ、いえ！何でもありません…！｣
不意に目が合ってしまったことに羞恥心が芽生え、両手を前に全力で振り、彼から目を離した。
吉良｢そんな全力で拒否んなくても…。｣
彼は眉を八の字にさせながら、苦笑いを浮かべいた。
｢…すみません。｣
あぁ…絶対吉良さんに呆れられた…。
私のような人間が、吉良さんの綺麗な横顔を凝視していい筈がないのに、何やってるんだろ私…。
吉良｢そんな落胆した後みたいな顔になるなよ。まぁ、可愛いけどさ。ほら、行こうぜ。｣
吉良さんのふんわりした優しい微笑みに、私は思わず胸を踊らせた。
…そういえば今、さり気なく可愛いって…。
頬の奥から熱が集中し、私はまた顔を赤くした。
吉良さんは…何で私に可愛いって言ってくれるの？
人間味が感じられないような私が可愛いなんて…絶対有り得ないのに。
吉良さんは…。
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
