深愛４ ページ4
その後吉良さんと一緒に宿舎へ戻り、自分のベッドに倒れ込んだ。
怖かった…。
布団を握り、小刻みに震えている体を落ち着かせた。
冷静になってみると、私は男の人に頬を触られたんたという事実を我に返る。
自分の頬に手を当てると、吉良さんの手の感触が蘇る。
私なんかに触らない方が良いのに。
こんな傷だらけの体に…。
ぼんやりしていると、私はふと吉良さんの言葉を思い出した。
そういえば吉良さん、私に可愛いって言ってたっけ…？
その事を思い出すと、冷えていた顔が徐々に赤くなっていくのを感じた。
いやいや、何で照れてるの私、あんなの冗談に決まってるのに。
私が可愛いなんて、まず有り得ない。
こんな死んだような目してて人形みたいに感情がない人間のどこにそういう要素が…。
今日会ったばかりなのに可愛いって普通言うのかな？
…いや、それは絶対ないと思う。
彼はきっと私の反応を見てからかっているだけ、さっきの言葉は遊び感覚で言っただけだよね。
そう思い込ますと心が少し楽になった。
さて、明日に備えて寝なきゃ。
頬にはまだ赤みが残っていたが気にせず初日を終えた。
▼
次の朝、セットしておいたスマホのアラームで目を覚ましゆっくり体を起こした。
ベッドから離れ、ジャージーに着替えた。
袖は七分丈まで捲らず着ている。そうしないと痣が見えてしまうから。
見られると色々厄介なことになりそうだから隠している。
少しだけため息をし、ドアを開けた。
吉良｢よう、待ってたぜ。｣
ドアの向かい合わせに吉良さんが背中にもたれかかったまま腕を組んでいた。
え？いつからいたの…？
｢お、おはようございます…吉良さん。｣
ドアの鍵を閉め、彼の方を向いた。
｢吉良さん、いつからそこに居たんですか？｣
吉良｢十分くらい前からいるぜ。｣
｢…私に何か御用ですか？｣
吉良｢はぁ？そんなの決まってんだろ。｣
もたれていた壁から離れ、私の方に近づいた。
吉良｢お前に会うため。｣
耳元で静かに囁き、私の肩に手を置いた。
｢…っ！？｣
吉良｢お前に会いてぇから早起きした、なんて言ったら？｣
不敵そうに笑っている吉良さんに、私はただただ目が泳ぐばかりだった。
そんな私を見てクスクス笑っている吉良さんがいて、私は無言で彼から離れた。
吉良｢おい待てよ、そんな怒んなって。｣
｢…仕事がありますので、失礼します。｣
逃げるように長い廊下を走った。
彼の行動にますます謎が深まった。
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
