深愛２８ ページ28
吉良さんが頼んだスペシャルストロベリーパフェを少し頂いた。
程よい酸味となめらかなアイスクリームが口の中で溶けていく。
一方の彼は丁寧にワッフルを切り、美味しそうに食べている。
…良いな。
感情を素直に出せる人が。
人形のような私なんかとは違い、吉良さんは本当に表情が豊かで人間味というものに溢れている。
それに比べたら、私は本当に人間らしい所がない。
本来なら、吉良さんみたいに美味しそうな笑みで食べたりしたい。
でも…やっぱり笑顔が作れない。
何で私って、こんなにも感情が出せないんだろう…。
楽しんでるはずなのに、このままだとせっかくお出かけに誘ってくれた吉良さんに失礼だよね…。
何とかして、笑ってたり出来ないかな…？
吉良｢…なぁ、A。｣
｢はい…！何でしょうか…？｣
さっきまで美味しそうにワッフルを食べていた彼だったが今はどこか真剣そうな眼差しを向けられていた。
吉良｢お前って、いつから男性恐怖症になったんだ？｣
…あ、そうか。
彼にだけ、その事を話してしまったんだ。
あの時はつい口走ってしまって…本当は誰にも言わないつもりだったんだけど…。
やっぱり気にしてたのかな…？
｢…その事なら、全然気にしなくて大丈夫ですよ。そんな、大した事ではないので…。｣
覚えててくれてただけでも、正直嬉しかった。
でもあまり私の過去を話したくなかった。
せっかくの楽しい雰囲気を壊してしまうような気がして、少し怖くなったっていうのもある。
吉良｢…だよな。人の家庭事情に首を突っ込むのは正直良い気分じゃねぇって事は分かってる。立場が逆で考えても色々めんどうって思う。それは俺が一番よく理解してる。…分かってんだ、分かってんだけど…っ。｣
次の言葉を言う前に、吉良さんの右手が私の方に近づき、頬を撫でるように触れた。
吉良｢…俺さ、正直お前の事が心配なんだ。A。｣
濁りのない真っ直ぐな瞳で、私にそう言い放った。
普段、不敵そうな笑みで掴みどころのない彼がこんなにも真面目で芯の強い人だと知り、私の心臓がドクンと跳ね、強く鼓動し始めた。
彼の目に偽りなんてなく、本気で私の事を心配してくれている事が分かる。
何で…何であなたはそんなに優しいの？
優しさなんていらないって言ったのに、どうして私なんかのために歩み寄ろうとしてくれるの？
駄目だよ…私に優しくしないで…。
そんな言葉かけられたら私
本当に気がおかしくなりそうだから…。
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
