深愛２１ ページ21
彼に顔を見せないよう、俯くようにして彼から少し体を離した。
あまりに近いため、彼に私の心臓の鼓動が伝わりそうで怖かったからだ。
煩わしいほど揺れる心臓の音。
男の人が怖いのと二人きりという緊張が混ざりあって揺れ動いている、という感覚を覚える。
吉良｢…優しくされんのが嫌なのか？｣
…嫌というか何というか。
優しくされる事に慣れていないというのもあるけど…何となく怖い。
｢…私に優しくしないで欲しいんです。｣
遊び感覚でこういう事をしてるかどうかは分からない。
でも…その優しさに触れるのが怖い自分がいた。
最終的に離れるくらいなら、最初から冷たくされる方がよっぽど良い。
こんな甘い日常も、ほんの少しの間だけ。
彼もいずれ飽きたら私の元には来なくなる。
吉良｢…やだね。俺は。｣
私の言葉に、呆れられるかと思いきや、腕の力がますます強くなっていった。
よって、彼との距離はさらに縮まっていた。
吉良｢俺がお前に優しくしたいんだよ。それぐらい良いだろ？｣
…何で？
何で彼は、私に優しくしたいと思うの？
予想だにしない彼の発言に、胸を躍らせる。
やはり彼は、よく分からない。
吉良｢なぁお前。今週の土曜日空いてるか？｣
この状況でよく話をすり替えたな…と思いながらも、彼の問いかけに答える。
｢な、何かするつもりなんですか…？｣
彼はニヤッと口角を上げ、口を開いた。
吉良｢今週の土曜、俺様と付き合え。｣
｢えっ…！｣
この流れで何でこんな発言を…？
｢その…土曜日に何をしようとしているんですか？｣
吉良｢それは当日までのお楽しみだ。安心しろ、プランは既にもう俺様が決めてある。｣
既にって…もう行かせる気満々じゃないですか…。
｢…私じゃなくて、他の人達と行った方が楽しいと思うのですが…。｣
吉良｢バーカ。お前じゃなきゃ今回のプランの意味がねぇよ。｣
もう…何で恥ずかしげもなく、そんな事が言えるの？
第一、何で私と行きたいと思うの？居ても楽しくなんてない人間なのに…。
吉良｢んじゃ土曜日、湖の岬のベンチで待ってるからな。忘れんじゃねぇぞ。｣
彼は腕がゆっくり離れ、私のベッドから降りた。
そしてそのまま、歩き出し、ドアに手を掛けていた。
吉良｢…楽しみに待ってろよ。A。｣
その言葉を最後に残し、私の部屋から出ていった。
誰も居なくなった空間で私は一人、顔を赤くしてうずくまっていた。
最後に私の名前を呼ぶなんて、ズルいよ…。
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
