深愛２０ ページ20
｢……え。｣
吉良さんの言葉に、私は口を閉ざした。
怖い、か…。
うん…怖い…。
これは吉良さんに限らず全ての男の人に当てはまる。
…やっぱり違和感を感じてたんだ。
そりゃそうだよね…今も小刻みに震えているから彼から見るとそう解釈してしまうのは無理もない。
一旦彼を退けようと体を動かしたが逃がさないと言わんばかりにがっちりホールドされている。
どうしよう…これは駄目な行動だ。
昔にも、こういうのをされた事がある。
【逃げるともう一発だ。分かってるよなぁ？この役立たずが。】
目に映る吉良さんが、お父さんと重なる。
頭の中がぐるぐると渦が巻き、現実なのか夢なのか見分けがつかなくなるくらい渦巻いていた。
吉良｢…やっぱり怖ぇんだな。俺が。｣
｢…っ！い、いえ。違うんですっ！｣
普段蚊が鳴くような声の私が咄嗟に大声を上げてしまった。
彼の桃色の瞳が少し揺らいでいた。
申し訳ないと思いつつ、急いで彼の問いに答えた。
｢違うんです…。私、過去の出来事で男性恐怖症になってしまって…触られたりするのが怖くて…。吉良さん自体が怖いっていう事じゃないんです…。｣
私が男性恐怖症という事を、初めて誰かに話した瞬間だった。
正直に吉良さんに話してしまった。
｢…急にこんな話されたら迷惑ですよね？…すみません。｣
彼は何も話さず、ただただ真っ直ぐな瞳で私を見続けている。
…やっぱり困惑するよね。
サッカー部のマネージャーやってるのに、男性恐怖症だなんて呆れるよね…。
吉良｢…ちょっと、触るぞ。｣
｢え…な、何でですか？｣
吉良｢安心しろ。…怖くねぇから、な？｣
普段見せないような優しい笑みに、私の心臓が激しく揺れた音がした。
その笑みを見て断れなくなり、私はゆっくり首を縦に振った。
私の腰に彼の手がまわり、並ぶように吉良さんは横になり、私は彼の腕の中に入っていた。
｢き、吉良さん！？｣
吉良｢良いからしばらく俺に抱かれてろ。｣
｢…っ！｣
私の話を聞いて、何でこんな事に…？
彼の甘い香りが鼻をくすぐる。
人からこういう事をされたのは、彼が初めてだ。
人の温もりなんて、家族からもらったことがない。
体がポカポカして何とも言えない心地良さが体を覚える。
吉良｢ぬくいだろ？俺は体温高ぇから、お前を暖めてやるよ。このゴッドストライカー様が、優しく抱いてやるよ。｣
うん…確かに暖かい…。
でも…。
｢…優しくなんて、しなくて良いですよ。｣
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
