深愛１７ ページ17
声のした方向に顔を上げると、ベランダの手すりに手を掛けた吉良さんが居て不敵そうに笑いながら私の方を見下ろしていた。
いつからベランダにいたんだろう…？
｢そ、そこで何してるんですか…？｣
まさか、待ち伏せしてたとか？
…いや、それは多分ないか。
吉良｢あぁ？決まってんだろ。可愛いAチャンに会いに来てんだよ。｣
…またか。
貴女からの甘い言葉が幾度なく降り注いできた。
ん…？今私の名前、呼んだ…？
今までお前しか言われたことがないのに。
急に何で…？
いや、ただの気まぐれかな。
私を見続けている吉良さんに背を向け、お花の水やりの続きを始めた。
吉良｢おい、ちょっとそこで待ってろ。｣
そう言った途端、ズザッと何かが擦れた音がし、気になって振り返ると吉良さんがベランダの手すりの上に立っていた。
本人は何の危機感もなく、平然とした表情をしている。
え…何でそこに立ってるの…？
吉良｢よっと。｣
なんとそこから軽々しく飛び降り、スタッとコントクリートの上に着陸した。
突然の出来事に唖然としていると、彼はスタスタとこちらにやって来た。
｢あ、危ないですよ…！大事な足に怪我でもしたら大変ですよ…！｣
吉良｢あれぐらいの高さなんてどうってことねぇよ。｣
話しながら私の隣にやって来た。
吉良｢これ、お前が育ててんのか？｣
｢え、あ、はい…！そう、なんです。｣
お花に水をあげながら、吉良さんに少しだけ自分の話をした。
｢…昔からお花が好きで、見るのも育てるのも好きなんです。いい香りがして心が和らぐ所がとても好きで…。｣
男の人にこういう話をするのはどうかと思ったけど、ただ…何となく話をしてみたくなった。
どうしてかは、分からない…。
吉良｢……。｣
｢あ、す、すみません！楽しくないですよね、こんな話…。｣
何も話さずだんまりになっている彼が不安になり、思わず距離を離すと、吉良さんはフッと優しい笑みを浮かべた。
吉良｢お前、やっぱ優しいんだな。｣
｢……えっ？｣
優しい…？私が…？
｢そんな…っ私はただ趣味でやってる事なので…。｣
そういう事を言われたのは、彼が初めてだ。
褒められる事に慣れていないから、少し戸惑う。
吉良｢優しい奴じゃなきゃこんな事はしねぇよ。偉いな、お前。｣
｢…っ！｣
まさか吉良さんからこんな事を言われるとは、考えもしなかった。
人から褒められるのって、こんなにも心が柔らかくなるんだ…。
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ふわもこ(プロフ) - ゆーみやンさん» コメントありがとうございます！最後までこの小説を読んで下さってありがとうございます！今後も楽しいお話が作れるように頑張ります♪誠に感謝です！(^^♪ (2019年11月12日 7時) (
レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» 返信遅くなって申し訳ございません…！2回もコメント下さってありがとうございます！(^^♪ (2019年11月12日 6時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます!!! ヒロトむっちゃかっこよかったです……！ドキドキしました！！ 短編集も楽しみにしています！お疲れ様でした( *´艸｀) (2019年11月10日 22時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - ヒロト頑張って (2019年10月16日 7時) (レス) id: 8cd13c0c45 (このIDを非表示/違反報告)
ふわもこ(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉が貰えてとても嬉しいです…！今後も楽しい小説が作れるように頑張ります(^^♪ (2019年10月15日 21時) (レス) id: 5db886f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわもこ | 作成日時：2019年6月25日 19時
