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59話 ページ14

「どうしました?」

もう既に顔が真っ赤で誰が見ても酔っているとわかる状態のカルロさんに声をかける。
一緒に来ていたリックさんを探すと他のテーブルで女の人を口説いていた。

「………」

無言で床を指さすカルロさん。指の先には割れたグラスが。

「あっ…すぐ片付けますね」

もっと他に言い方ってもんがあるんじゃあないの!?と心の中で悪態をつきながらもグラスの破片を拾っていく。

もうすぐで拾い終わるという時にまたグラスが上から落ちてきた

「った…!」

落ちてきたグラスの破片が飛び散り、そのせいで指を切ってしまった。

「ちょっと…」

「あ、大丈夫ですよ…!」

「じゃなくて、早くグラス持ってきてくれない?」

「アンタね…!」

そう言いかけてハッとする。
ダメだダメだ。問題起こしてクビなんて絶対嫌だし、カルロさんも酔ってなかったらいい人だし!
自分に言い聞かせるように頭の中でそう繰り返し、替えのグラスを持ってきてカルロさんの机へ置いた

「ねぇAちゃん、ちょっと隣座りなよ」

「今仕事中なのでごめんなさい…」

いや、お礼は!?普通言うでしょ!?
内心イライラしながらもやんわりと断りを入れる。

「アイツらは良くて俺はダメってか?」

ブチャラティ達の方を指さしてそう言われて何も言い返せなくなる

「少しだけですよ…」

ため息混じりにそう言って隣の席へ着いた

「俺Aちゃんみたいな可愛い子好きなんだよねぇ」

「はぁ…」

「だーかーらぁ」

するりと肩に手を回され、そのまま手は胸元まで降りてきて私の胸を触る。

「店終わったら俺と遊ばない?」

「ちょっ!やめてください!」

勢いよくその手を振り払って立ち上がる

「なんだとぉ…!?なんのために金払って飲みに来てると思ってんだよ!」

「ここでは美味しい食事を楽しむ為にお金を払って頂いてます。他のことが目的なら帰ってください」

「何生意気なこと言ってんだよ!!」

「や…!」

カルロさんはビールの入ったグラスを持って、私へビールをぶっかけた。

抵抗する間もなく、ぎゅっと目をつぶって襲ってくるであろう冷たさを覚悟した。

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青空 - 凄くドキドキしながら読ませて貰いました!ブチャラティは普段優しい分、ギャップと色気が凄いです。 次回も読ませて頂けたらと思っています! 頑張って下さい。 (2019年4月9日 23時) (レス) id: 5e9748810f (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - お疲れ様です…!久しぶりにまた拝読できて、すごい嬉しいです!!(o>ω<o)最新話も面白かったです♪ これからも無理のないペースでの更新楽しみにしておりますねp(^-^)q (2019年2月13日 17時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
千景(プロフ) - ブチャラティがとても好きなのでドキドキしながら読ましてもらっています!笑これからも頑張ってください! (2019年2月9日 0時) (レス) id: b982409f44 (このIDを非表示/違反報告)
ライリー - 6年ぶりに夢小説に手を出しました!!めっちゃおもしろいです!!ブチャラティがもっと好きになりました!続き楽しみにしています (2019年2月8日 22時) (レス) id: 9200a296cd (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 頑張ってください!応援してます! (2019年2月5日 0時) (レス) id: 4b330b87b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真依 | 作成日時:2018年11月14日 12時

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