勘違い＿1【学園長】 ページ3
※ナチュラルに交際してる。名前変換せず監督生呼びにしています。
ぽすん、と一見凶器にも見える大きな手が私の頭上に優しく置かれる。
｢……また、ですか｣
｢いやぁ、すみませんねぇ。監督生さんの頭が丁度手の起きやすい位置にあるもんですから｣
と、けらけらと弾んだ声色で、幼い子どもをあやす様に頭を撫で続ける。私の高鳴る胸など無視をして。
初めこそ頭を撫でられることに対して警戒をしていた。また何かを頼んでくるんだろう、と。しかし、予想と反して学園長は、ひとしきり撫でれば呆気なくその場から去っていく。私も悪い気はしなかったので、なすがまま大人しくじっとしている。気がついた頃には、学園長に出会う度その行為を待っている自分がいた。
そうして、私の日常に溶け込み始めた時だった。私はほんのり、不満を感じ始めた。学園長からしてみれば私なんてまだまだ子どもで、雛鳥だろう。だけど、それは私達の関係が恋人ではなく、親子のようだ。せめて、2人の時にして欲しい。学園長はエースやデュースがいる時でもお構い無し。そのせいで、｢親子みたい｣だとからかわれたのだ。秘密の交際だとしても、それは充分私にショックを与えた。
｢どうしました？何だか不安そうな顔ですねぇ｣
｢…だって、学園長が子ども扱いするから｣
｢私からしてみれば貴女はまだ子どもとですよ｣
頭を撫でる丁寧な手つきが少し雑になり、髪型がぐしゃりと崩れる。そうなんですけど、と唇を尖らせ口内で呟く。
ふっと、頭が軽くなる。逸らしていた目を学園長に戻せば、さらり、と私の髪を一本一本甘ったるい視線で梳かしていた。私は途端に恥ずかしくなって、学園長相手に緊張してしまった。
｢…あぁ！ なるほど、分かりましたよ。そういうことですね！｣
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作者名：ぱるこ | 作成日時：2020年9月21日 23時
