× ダメ ×

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流「 おい 、A 」





帰り道 、隣から聞こえる

強くて優しい 、大好きな声 。







「 なんや 、流星 」





流「 ダメって 、言ったよな 」





流星が男らしい顔つきで 、うちを見つめる 。




かっこいい … けど、ごめんな 。





「 何がダメなん ？ 」






主語がないから 、なんのこと言ってんのか

全く分からへん 。






今は 、

そんなポンコツな所も可愛くて好きになってしまう 。






流「 俺 、見てたんやからな 。

…… 重岡と 、めっちゃ顔近かったん 」








可愛すぎて 、言葉がでーへん 。


これは 、いわゆる嫉妬 、なんやろうか 。







流「 俺は 、表現とか 、その 、なんか

好きな人 … 出来たんが 、初めてやから 、

どうしたらいいんか 、分からんねん 、 」








流「 キスの仕方も分からんし 、

女の子との接し方とかも 、全然分からんねん 。


そやから 、

Aは 、俺といて 、幸せやないかもしれへん 、」







流星の声が涙ぐむ 。






鼻がほんのり赤くなり 、目が充血しているのが

この距離からは 、はっきりと分かる 。






流「 重岡の方が 、

幸せにしてくれるかもしれんよな …… 」





流星が 、

弱く小さく 、そう呟いた 。









「 なぁ 、流星 。 」







流星が 、頬を濡らしてうちの目を見つめる 。




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