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真鳥「末澤ー！」
ちょっと目を離しただけだった。
今江と藤原が自室にこもっていたから、ご飯を持って行ってあげた、それだけの時間。
それなのに、いなくなってしまった。
インカムで問いかけてみても、そもそも彼のインカムが反応しなくなっていた。
やっぱりさっきの事を気にしていたんだろうか
自分が現実世界の人じゃないって事。
もしかしたら末澤も自分と同じように記憶がないのかもしれない。
だから前、『現実世界で幼馴染みみたいな人作ればええやん』と言った時、あんな悲しそうな顔をしていたのかもしれない。
藤原『まとくん！まとくん！聞こえてる！？お願いやから今すぐ戻っ』
インカムから藤原の声が流れてきた。
今すぐ戻れ、だなんて全くふざけた話だ。
通信を切った。
息が切れてきた。
しんどくなってきて、一瞬立ち止まった。
真鳥(…どこおんねん……)
ふと、周りを見ると、あちこちに小さな穴が空いているのが見えた。
真鳥「…ほんまに、崩壊してんねや……」
この前は地面だけだったのに、何もないと思った真っ黒な上の空間にも、よくよく見てみると穴が空いている。
真鳥「…」
やっぱり、戻らないといけないのだろうか。
でも、今更戻ったところでなんになるという。
それならもういっそ、こんな人生だったんだから、ここで終わらせても…
末澤「まとくん…」
真鳥「！」
声がして、振り向くと、末澤がいた。
末澤「…追いかけてくると思った…」
真鳥「何でお前勝手に出ていくねん！」
末澤「だって…」
真鳥「気にしてんのか？さっきの事。」
末澤「…」
真鳥「俺かて、わかるよ。だって多分お前もあれなんやろ？俺と一緒で、記憶が…っ、」
末澤「…まとくん？」
真鳥「………ぁっ…」
末澤「えっ、まとくん！？なぁ！まとくんどないしたん！？なぁ！！」
耳鳴りがする。伴って頭痛も起こってきた。
末澤「まとくん！？まとくん！？」
末澤の声が近くで聞こえた。
自分でもわからないが、恐らく倒れ込んだのであろうところを末澤に支えられたらしい。
目の前で、何かがフラッシュバックする様な、近くにいるはずの末澤の姿が見えない。
次第に必死に声をかけてくれている末澤の声すらも、聞こえなくなってしまった。
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さくらこ - 私もmiwaさんの小説大好きです。 (2018年9月17日 15時) (
レス) id: 01232417c8 (このIDを非表示/違反報告)
りゅーちぇーまん - お誕生日おめでとうございます！ これからも応援してます！ (2016年12月14日 17時) (レス) id: 70c38da474 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - お誕生日おめでとうございます！！ これからの小説、お話楽しみにしています♪ (2016年12月14日 16時) (レス) id: 74805816cb (このIDを非表示/違反報告)
まりりん♪(プロフ) - いつも、こっそり読ませていただいてます(〃ω〃) すごく面白くて更新楽しみにしてます！ お誕生日おめでとうございます！これからも頑張ってください！ (2016年12月14日 16時) (レス) id: 80eff06f52 (このIDを非表示/違反報告)
miwa(プロフ) - お誕生日おめでとうございます！！柚空さんの小説、本当に大好きです！良い1年にしてください！ (2016年12月14日 16時) (レス) id: f3b666cd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：今江柚空
| 作成日時：2016年12月5日 19時
