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今江「どこ行ったん…？」
あんなにヨロヨロだったのに、大分疲れを見せていたはずなのに、
少し前に出ていった藤原はどこにも見当たらない。
今江「…じょー…どこー…？」
頼りの無い声が少しだけ響く。
〜消えない悲しみも綻びもあなたといれば それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
遠くの方で小さい歌声が聞こえてきた。
今江「…？」
藤原の声によく似ていた。というより恐らく藤原の声だ。
声のする方へ歩いていく。
今江「…」
やっぱり、歌声の正体は藤原だった。
人気のない、少しだけ段差になっているところに腰掛け、こちらには気付いていないらしい、今江も知らない曲を小さい声で歌っていた。
…よく見ると、泣いていた。
今江「……丈、」
藤原「っ、なん…！」
今江「泣いてたん…？」
藤原「…ない、てないっ…！」
今江「泣いてるやん」
そんなぐちゃぐちゃの顔で言われても、説得力はまるでない。
藤原の隣に座った。藤原は一瞥しただけで目も合わせてくれない。
今江「何歌ってたの」
藤原「……アイネクライネ」
今江「えっ？」
藤原「……何でもええやんか…」
今江「…怒ってる…？」
藤原「…」
今江「…怒ってる」
藤原「…」
今江「ごめんなぁ…？」
藤原「何で謝んねん…」
今江「だって、」
藤原「今江の、好きにしたらええやん」
今江「でも」
藤原「あいつの事、許すんやろ。お前は。…んならもうどうでもええやんか…」
今江「…よくないよ」
藤原「……」
立ち去ろうとした藤原のブルゾンの袖を掴んだ。
藤原「……う…て…」
今江「えっ？」
藤原「…どうして…」
そこまでして俺を説得するの、
顔は見えなかった。
でもきっと、悲しい顔をしているんだろうなという事だけは、わかっていた。
*
引用した歌:米津玄師「アイネクライネ」
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miwa(プロフ) - 是非龍太先生に診察されたいですね...笑 こちらこそ、いつも楽しい時間をありがとうございます！ (2016年12月5日 23時) (
レス) id: f3b666cd46 (このIDを非表示/違反報告)
今江柚空(プロフ) - miwaさん» 夢世界の住人になる＝夢現病患者なんでもれなく龍太先生の診察が入りますけどそれでもいいですかね？笑コメントありがとうございます！ (2016年12月5日 7時) (レス) id: 79bb6dcd4c (このIDを非表示/違反報告)
miwa(プロフ) - 夢世界の住人になりたいですね...切実に笑 前作から読ませていただいています。作者様の小説大好きです。夢主苦手な感じと言い、ファンタジー系が好きな感じと言い、私の好みドンピシャです笑 これからも、応援しています。無理のない程度に、更新頑張ってください (2016年12月5日 1時) (レス) id: f3b666cd46 (このIDを非表示/違反報告)
今江柚空(プロフ) - 里桜さん» ありがとうございます！最近更新グダってきちゃってますが待っててくだされば幸いです！ (2016年11月28日 18時) (レス) id: 79bb6dcd4c (このIDを非表示/違反報告)
里桜 - 最初から読ませてもらってます!! 更新頑張ってください!! (2016年11月27日 23時) (レス) id: 5cba146b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：今江柚空
| 作成日時：2016年11月6日 12時
