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遠出の路上ライブ 3 ページ6

side 一織

今回の路上ライブは東京から少し足を伸ばし神奈川県の横浜で行った。
この間テレビでちらっと出た様で、私達を見た事がある人もいるようだった。
CDの売れ行きも好調だった様でマネージャーがウキウキとしていた。
だが、矢張り私達の改善点は未だ多い。だからこそライブの後に必ず反省会を行っているのだが、今日はそこまで多くなく、後半はだべっているような状況だった。すると、マネージャーが口を開いた。

紡「そう言えば、皆さんのどなたかに妹さんって居られますか?」
二「ん?なんでだ?」
紡「いえ、今日のライブで見に来て下さった方から「兄を宜しく」と言われたので」

兄さんが聞くとマネージャーはそう答えた。「名前は?聞いたの?」と七瀬さんが聞くと「確かAさんと言っていましたよ」と答えた。

一「え…マネージャー、本当にAとその人は言ったのですか?見た目は?どんな感じでしたか?!」
紡「え…あ、はい。確かにAだと言っていました。見た目は…そうですね……髪の毛は帽子で見えなかったのですけど目は一織さんのような色でしたよ。背は私より少し低めでした」
一「兄さん…もしかしたら……」
三「あ、ああ。その可能性がかなり高いな」

何の会話だ。とクエスチョンマークを頭の上に浮かべている他のメンバーを無視する様に兄さんと私は目を見合わせ黙りこくった。
暫くして、兄さんが口を開く。

三「もしかしたら俺達の妹かもしれない…」
七「へぇ〜!一織に妹がいたんだ!」
一「えぇ、私の双子の妹ですが……」
二「歯切れ悪いな。何かあったのか?」

眉を寄せて言う私が気になった様で聞き返される。

三「…………6年前に失踪してからずっと、会ってないんだ」
四「しっそう……?」
五「居なくなったって事だよ環君」
四「は?!いなくなったの!!」
三「あぁ、ずっと会ってないし声も聞いてないけど、毎年誕生日のプレゼントだけは送られて来るから生きてはいるみたいなんだ」

兄さんが辛そうに話す。いや、実際辛いだろうし私も辛い。

六「なぜいなくなったのデスか?」
一「分かりません。朝起きたらいなくなっていたので…どこへ行ったのかさえ……」

そう、Aが使っていたカバン一つと数日分の服、少しの食料だけが無くなっておりそれ以外は全て残っていた。置き手紙すら無かった。

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名無し60018号(プロフ) - とても面白かったです!自分すごく続き気になります!これからも応援してます!頑張ってください! (2020年9月22日 8時) (レス) id: 944439b224 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白翼 桜 | 作成日時:2018年5月31日 15時

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