遠出の路上ライブ 2 ページ5
「ちょ、ちょっと待って下さい!貴方は……?!」
「私はAと申します。兄さん達に宜しくお伝え下さい」
私はそう答え、引き止める彼女の声を無視して歩き出す。
しかしこの足は公園を出たところです止まることとなった。
電話だ。しかも仕事の方の。………嫌な予感しかないのは気の所為と思いたい。
「はい。Aです。」
『嗚呼、Aか?』
「国木田さんですか。どうしましたか?私、今日は非番の筈ですけど」
『それは知っている。が、申し訳無いが太宰が逃げた。多分何処ぞの川で流れているだろうから一緒に探してはくれないか?』
「………またですか……何処の川ですか?」
私は呆れつつも場所が鶴見川だと聞き更に嫌になる。
「今そこからかなり近いので、向かいますね……」
『本当に済まない』
「いえ、何時ものことですから」
と二人で苦笑し合い電話を切る。
一つ溜息を吐き、体を反転させて歩き出す。鶴見川はこっち方向だったはずだ。
ライブの音が遠ざかるのを聞きながら私は太宰さんを探し始めた。
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名無し60018号(プロフ) - とても面白かったです!自分すごく続き気になります!これからも応援してます!頑張ってください! (2020年9月22日 8時) (レス) id: 944439b224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白翼 桜 | 作成日時:2018年5月31日 15時