結局最後は好きだったり【東リべ中編集】 (ページ3)

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知らなかった、隆が恋してるなんて。

＿「結構長い間片想いしてる」

あの時の彼のどこか切なくて、
でも、どこか私よりずっと大人な瞳が
脳裏に焼き付いて離れなくなった。

＿『へぇ、どんな人なの？』

＿「うちのクラスの子だよ、
　誰よりも優しくて、可愛らしくて」

＿『隆お似合いじゃん、いいね』

＿「俺じゃ釣り合わないくらいだよ」

隆がその子のことを話すのは、
聞きたくないはずなのに聞いてしまって、

家に帰ってから声を上げて泣いた。

私に"三ツ谷君が好きなの"ともちかけた
彼女は確か学級委員で、
みんなに信頼されている素敵な子だった。

あまり関わりのない私でも
【いい子】と認識するくらいの人だ。

きっと、隆は両想いなんだろうな。

一瞬でも心の隅っこで、
「両想いにならないで欲しい」と願って
しまった私は、幼馴染失格だろうか。

あの日を境に、
私は故意に隆と距離を取った。

「A、今日委員会？」

『いや…違うけど、先帰ってて』

「明後日マイキーと遊ぶけど、来ない？」

『ごめん、私マイキーと喧嘩した』

2人が付き合ってしまうのは時間の問題、
私のこの気持ちは伝えることも無いまま
なくなってしまえばいいと思った。

彼女が出来たらどうせ
2人で帰ることも、今までみたいに過ごす
ことも無くなってしまうことだし

丁度いい、と、自分に言い聞かせた。

マイキーからは
【俺お前と喧嘩した記憶なんてねえよ、三ツ谷となんかあった？】

と、メールが来てしまった。

……ああ、私は何をやっているんだろう。