【文スト】【短編集】文豪×〇〇彼女。２【文豪ストレイドッグス】

記憶持ち太宰×彼女。(学パロ) ページ34

私に！感覚を取り戻させて(半泣き)
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夢を見た。治が死んでしまう夢。

響く銃声に、倒れる貴方。目の前に広がる紅。景色の向こうには黒髪長髪の男性が銃を構えている姿。

その場面が、その場面だけが無限ループする。


「……！…、ぃ……A」


声が聞こえる。私を呼ぶ声が。

その声はどんどん大きくなっていき、私の頭に直接響いてくる。

＿＿＿＿＿＿＿

「…A」

『え、あれ、治』

「またそんな所で寝てたのかい？」


治の云う「そんな所」。それは、文豪学園の中庭にある桜の木の上。

治の声は桜の木の下から聞こえてきた。

下を覗こうと身を乗り出して、うっかり手を滑らせる。

落ちた衝撃がくる、と思ってギュッと目を瞑る。


『……？』

「全く、心配させないで欲しいなあ」


痛くない。目を開けると視界いっぱいに治の顔が広がった。

何となく、さっきの夢の事を思い出してギュッと治に抱きついた。


「…どうしたの？」

『……』

「…怖い夢でも見たのかい」

『……ん、』

「どんな夢？」

『…治が、死んじゃう夢』

「……。うん」

『銃で、バーンて…』

「…そうかい」

『……うん』

「ふふ、何泣きそうな顔してるの。私はここにいるよ？」

『………うん』

「(…まあ、その後死んでしまうのは君なんだけどね)」


目の前で自分を庇って斬られる君、飛び散る紅。

それを覚えていないのは君だけ。

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