第57話 ページ9
「……ホンマに？」
「ホントホント。なんなら俺、お前らに見捨てられたら一文無しで放浪する旅に出る羽目になるが？」
「……それでもええんやない？w」
「酷くねその言い方？！」
ゾムはクククっと笑いながら俺をからかう。
ゾムの手の震えは、いつの間にか無くなってて、ギュッと俺の手を握り返していた。
「やったら今日からカルガンと俺らは家族やな！」
「え？友達じゃなくて？」
「いや、友達でもあるんやけど……とにかく家族や！！家族！！」
少し照れた表情をしながらも、俺の方を指さし、にぱっと笑うゾム。
彼の境遇は知っているため、彼が家族に固執する理由も知っていた。
だが俺は、家族や友人よりも、なりたいものがあった。
「なぁゾム、これは俺の個人的な願いなんだが、聞いてくれるか？」
「ん？ええで！なんや？」
「あのな、俺を、ゾムの弟子にしてくれないか…な？」
口に出すと少し恥ずかしいが、俺がゾムにそう聞くと、ゾムはまるで石のようにその場で固まってしまった。
何かまずいことを言ってしまっただろうかと、俺は焦る。
「いや、ゾムが弟子なんて嫌だと言うのなら、この話は無かったことに……」
「え！？いやいや、全然ええで！！寧ろカルガンの師匠が俺でええんか！？」
「ゾムが良いから頼んでるんじゃないか。」
俺が答えると、ゾムは先程よりも嬉しそうな表情で笑みを浮かべ、ゾムの周りの雰囲気は先程よりもホワホワしていた。
「よっしゃ！今日からカルガンは俺の弟子や！！なら先ずはロボロの所まで競走やで！！」
「は！？いや俺はゾムに運ばれるがままここまで来たんだが！？」
「よーい！ドン！！」
「話聞けやゾムゥゥゥゥゥ！！！」
俺は困惑しながらも、自分を置いて屋根の上を軽々と走って行くゾムの後を追いかけた。
その日、俺に友人と師匠ができた。
その後、屋根の上を走って行くなんて事をやったことの無い俺は案の定屋根から転げ落ち、運良く死体の山がクッションとなってくれたが、助けに戻ってくれたゾム共々、帰ってロボロに叱られました。
……いや俺悪いことしてなくね？
―――――――――
ゾム
・スラム街にすむ青年
・緑色のフードを着ており、その瞳が見える人は数少ない
・初めて弟子ができ、舞い上がっている
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闇ちょこ(プロフ) - 続編…全裸待機してますね((ネコ、カワイイ…カワイイ(洗脳済み猫派) (2021年2月13日 9時) (
レス) id: 4dd7927ea0 (このIDを非表示/違反報告)
新月singetu - 続編！！めっちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月13日 8時) (レス) id: 040d4cbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編ですか！楽しみです！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: f025ecfe59 (このIDを非表示/違反報告)
恋漢(プロフ) - 初見ですが失礼します！！！いやもう簡潔で申し上げます(^^)........好きです！これからも更新頑張ってください！！めっちゃ応援してます！！ (2021年2月12日 0時) (レス) id: 6604cf1194 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - めっちゃ好きです！更新頑張って下さい！全裸待機してます(笑) (2021年2月11日 15時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオバナ@復元成功 | 作成日時：2021年2月7日 18時
