第94話 ページ46
「っカルガン！！行かないでくれ！」
後ろからグルッペンの止める声が聞こえる。
その声は、あの日俺を止めたグルッペンの声そのものだった。
グルッペン。
出来ることなら、お前と共に未来を歩みたかった。
トントン。
約束を守れないような友人で、本当にすまなかった。
母さん。
本当の息子じゃない俺を、愛してくれてありがとう。
「グルッペン、トントン、母さん。また、現実で会おうな。」
俺は後ろを振り向かず、3人に別れを告げてリビングの扉から外に出る。
その先は、先程までは家の中の廊下であったはずなのに、真っ暗な闇に包まれていた。
俺はそのまま、先さえ見えない真っ暗な闇の中に飲み込まれ、次第に3人の声は遠のいていった。
何も聞こえなくなった後、不意に襲ってきた左目の痛みによって、俺は暗闇から重力に従って下に落とされる。
そのまま俺の意識は、夢から現実へと帰された。
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鳥のさえずりが聞こえ、俺は目を覚ます。
左目がズキズキと痛むものの、景色はさほど見えにくくはなっていない。
天井を見上げてみれば、5年間見慣れた青い天井でも、3年間見慣れた古い天井でもなく、真っ白な天井が目に映った。
「……こ、こは？」
俺は体を起き上がらせ、辺りを見渡した。
どうやら軍人用の医務室の様で、周りにあるベッドには負傷した兵士達が包帯を巻かれて寝ていた。
ある者は腕や肩を怪我、ある者は足を怪我、そしてある者は両手が無くなっていた。
その光景にゾッとしたが、扉から入ってきた人物が俺に声を掛けてきた。
「あ、目が覚めたのですね。白銀の脅威様。」
「……誰や？」
「私、案内人に任命されたヴァウと申します。目覚めたばかりですみませんが、国王陛下がお呼びになっていますので、ご同行お願いします。」
ドアから入ってきたのは俺と同い年くらいの女性で、見覚えのある赤い髪をしていた。
ヴァウと名乗った女性は俺に近づくと、立てますか、と聞いてくる。
「あぁ、大丈夫。1人で立てるよ。」
「そうですか。では、着いてきてください。」
俺がベッドから降りたのを確認すると、ヴァウさんは俺を置いて部屋から出て行ってしまい、慌てて俺は後を追いかける。
後ろから聞こえるベッドに横たわっている兵士達のうめき声が、少し怖く感じた。
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闇ちょこ(プロフ) - 続編…全裸待機してますね((ネコ、カワイイ…カワイイ(洗脳済み猫派) (2021年2月13日 9時) (
レス) id: 4dd7927ea0 (このIDを非表示/違反報告)
新月singetu - 続編！！めっちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月13日 8時) (レス) id: 040d4cbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編ですか！楽しみです！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: f025ecfe59 (このIDを非表示/違反報告)
恋漢(プロフ) - 初見ですが失礼します！！！いやもう簡潔で申し上げます(^^)........好きです！これからも更新頑張ってください！！めっちゃ応援してます！！ (2021年2月12日 0時) (レス) id: 6604cf1194 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - めっちゃ好きです！更新頑張って下さい！全裸待機してます(笑) (2021年2月11日 15時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオバナ@復元成功 | 作成日時：2021年2月7日 18時
