第88話 ページ40
ゾム視点
カルガンはその場で不気味な笑みを浮かべながら俺を見つめた。
松明で照らされて、余計にカルガンの顔が恐ろしく見え、俺はガタガタと体が震えた。
「本当は、気づいて欲しく無かったんだがな、感の鋭いゾムにはバレるよな。」
カルガンはそう言うと、一息ついた後で再び口を開いた。
「盗み聞きしてたんだろ？ゾム。お前が聞いた内容通り、俺はこの街を燃やす。」
「嘘や！だってカルガンは、俺らの兄貴みたいで、俺らの事を裏切るような奴や無いやろ！」
「いい加減現実を見るんだな、ゾム。これが俺の本性なのさ。」
「違う！！絶対俺は信じんからな！だって俺らのカルガンh「ゾム。」っ！」
俺が反論しようとすれば、カルガンがそれに被せるようにして俺の名前を呼んだ。
何時もの優しい声や、怒ったような声ではなくて、とても低い声で俺の名前を呼んだ。
「もうお前と過ごした俺は何処にも居ねーんだよ。今お前の前にいる俺が、本当のカルガンなんだよ。」
カルガンはそう言うと、悲しそうな表情を浮かべて、松明の火を死体に近付けた。
「っ！ダメや！カルガン！！」
慌てて止めようと走り出したが間に合わない。
カルガンの持っていた松明の火が死体に燃え移り、次の瞬間、瞬く間に火は辺りに燃え広がり、目の前は火の海になった。
煙と炎でカルガンの姿が良く見えず、俺は咳き込みながらもカルガンの名前を叫んだ。
「カルガン！！カルガン！！」
カルガンの居た方向に手を伸ばしても、そこにはもう誰も居ない。
早く逃げなければ、煙と炎に巻き込まれて死んでしまう。
本能的に逃げなければっと感じたが、カルガンの事を諦めれなかった。
そんな俺の耳元に、カルガンの声が聞こえた。
「ゾム、勝手な弟子で済まなかった。もし俺の名前を知っている金髪の奴と赤い瞳の二人組を見かけたら、力を貸してやってくれ。」
「っ、カルガン！！」
「じゃあな、ゾム。俺の事はどうか、忘れてくれ。」
「待ってや！カルガン！！」
俺はカルガンの声が聞こえた方に手を伸ばしたが、何も掴めず手は炎に包まれる。
伸ばした左手が燃えるように鋭い痛みに襲われたが、俺はカルガンの名前を逃げるまで叫んだ。
しかし、俺の呼び掛けにカルガンが反応する事は、二度となかった。
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闇ちょこ(プロフ) - 続編…全裸待機してますね((ネコ、カワイイ…カワイイ(洗脳済み猫派) (2021年2月13日 9時) (
レス) id: 4dd7927ea0 (このIDを非表示/違反報告)
新月singetu - 続編！！めっちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月13日 8時) (レス) id: 040d4cbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編ですか！楽しみです！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: f025ecfe59 (このIDを非表示/違反報告)
恋漢(プロフ) - 初見ですが失礼します！！！いやもう簡潔で申し上げます(^^)........好きです！これからも更新頑張ってください！！めっちゃ応援してます！！ (2021年2月12日 0時) (レス) id: 6604cf1194 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - めっちゃ好きです！更新頑張って下さい！全裸待機してます(笑) (2021年2月11日 15時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオバナ@復元成功 | 作成日時：2021年2月7日 18時
