第86話 ページ38
「……分かった。アンタはこのまま森に向かって逃げてくれ。俺が火が燃え移るのを確認する。」
「ですが、そんな事をして白銀の脅威様が怪我をしたら……。」
「俺はこの街を熟知している。だから大丈夫だ。」
「しかし……」
「早く逃げてくれ。頼む。」
俺がそう言うと、兵士は迷った末、
「すみません。この恩は必ず返します。」
と言って頭を下げ、俺が指さした方向へと走り去って行った。
その後ろ姿を見届け、兵士の姿が闇夜に消えて見えなくなると、俺は足元に置かれている死体に目を向けた。
これに火をつければ、今までのゾム達との関係は終わる。
ゾムとロボロと紡いで行くはずだった未来は、俺が火をつけることによって、俺の手で断ち切る事になる。
松明を持っている手が震え、俺は逃げ出したい気持ちに駆られる。
このまま火をつけて、ゾム達と共に遠くの国へと逃げたい。
が、そんな事をしてもA国からの魔の手からは逃れられない。
俺が持ち出した条件でアイツらに被害が及ばなくなるのなら、アイツらとの関係を断ち切ってでもその道を選ぶ。
覚悟を決め、俺は松明の火を死体に近づけようとした時だった。
聞き覚えのある声が後ろから聞こえ、俺の行動を止めた。
嘘だと、思いたかった。こんな姿、見られたくなかった。
「何やってるんや、カルガン。」
「………………なんで、ここに居るんだよ。」
どうして来てしまったんだ。ゾム。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 660人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
闇ちょこ(プロフ) - 続編…全裸待機してますね((ネコ、カワイイ…カワイイ(洗脳済み猫派) (2021年2月13日 9時) (
レス) id: 4dd7927ea0 (このIDを非表示/違反報告)
新月singetu - 続編！！めっちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月13日 8時) (レス) id: 040d4cbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編ですか！楽しみです！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: f025ecfe59 (このIDを非表示/違反報告)
恋漢(プロフ) - 初見ですが失礼します！！！いやもう簡潔で申し上げます(^^)........好きです！これからも更新頑張ってください！！めっちゃ応援してます！！ (2021年2月12日 0時) (レス) id: 6604cf1194 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - めっちゃ好きです！更新頑張って下さい！全裸待機してます(笑) (2021年2月11日 15時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオバナ@復元成功 | 作成日時：2021年2月7日 18時
