第85話 ページ37
俺の願いが届く訳もなく、あの日から2日が経過した。
3日前と同じ真夜中、俺は沢山の兵士の姿が見えたとロボロとゾムに嘘をつき、もし身の危険を感じたら2人で森に逃げるよう言った。
初めは俺も行くっと言う事を聞かなかったゾムだが、ロボロを守れるのはお前だけだっと言ったら食い下がってくれた。
そうして、俺を見送ってくれる二人に心の中で別れを告げ、俺は三日前に大臣と会った場所まで走った。
屋根の上を走った為か、十分も掛からずに約束の場所へ到着すれば、一人の兵士が俺を待っていた。
「あなたが、白銀の脅威様ですね。大臣様から話は聞いております。」
「……君は？」
「はい、私は貴方様への伝達を直々に任され、この場に来ました。大臣様は、スラム街の入口から少し離れた場所で此方の様子を見ております。」
丁寧な口調で淡々と説明され、俺は兵士が持っていた松明を渡される。
これで火をつけろ、と言う事だろう。
「目の前にある遺体に火をつけてもらえれば、貴方様の仕事は終わりになります。私は火が燃え移るのを確認する為、この場に残ります。」
「…そんな事をして、君は大丈夫なのかい？」
「……はい、私がこの場に来ることを任命されたのは、失っても大丈夫だと判断されたからですので、もし仮に死んだとしても、大丈夫です。」
そう応えた兵士の顔は恐怖で青ざめており、手や体はガタガタと震えていた。
見た目からして年齢は、今の俺よりは年上だが前世の俺よりは年下だろう。
まだ未来ある若者が、こんな事で命を散らしていいわけが無い。
「…アンタ、生きたいとは思わねーの？」
「…へ？」
「だから、生きたいとは思わねーのかって聞いてんの、アンタがここに居るのは上からの命令だろ。本当は、どっちなんだよ。」
俺がそう聞くと、兵士は迷ったような表情を見せ、そして涙を流しながら、
「私は、生きたいです！生きて、家族の待つ家に帰りたいです！！」
と俺に訴えた。
かなり恐怖を押し殺して我慢していたのだろう。
人の命を簡単に切り捨てる様な奴が上に居れば、下にいる者は呆気なく命を散らせてしまう。
A国の上の奴らは、人の命を軽く見る大馬鹿どもしか居ないのか。
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闇ちょこ(プロフ) - 続編…全裸待機してますね((ネコ、カワイイ…カワイイ(洗脳済み猫派) (2021年2月13日 9時) (
レス) id: 4dd7927ea0 (このIDを非表示/違反報告)
新月singetu - 続編！！めっちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月13日 8時) (レス) id: 040d4cbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編ですか！楽しみです！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: f025ecfe59 (このIDを非表示/違反報告)
恋漢(プロフ) - 初見ですが失礼します！！！いやもう簡潔で申し上げます(^^)........好きです！これからも更新頑張ってください！！めっちゃ応援してます！！ (2021年2月12日 0時) (レス) id: 6604cf1194 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - めっちゃ好きです！更新頑張って下さい！全裸待機してます(笑) (2021年2月11日 15時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオバナ@復元成功 | 作成日時：2021年2月7日 18時
