第67話 ページ19
その日の夜、なかなか寝付けずに俺はベッドの上で天井を見上げた。
久しぶりに前世を思い出し、この世界に来てから早くも５年たっているのだなと改めて思う。
5年の月日がたつのも、そして一日一日が過ぎるのも早い。
初めは元の世界に帰る方法を探していたはずなのに、気づけばもうこの世界に居ることを受け入れてしまっている。
というかそもそも、受け入れてるのは帰り方の探し方とか調べる方法が分からずに放置してたら忘れてしまったのが原因だろうな。
はぁっと溜息を一つつき、無理矢理にでも寝てやろうかと目を閉じようとした時、コンコンっと音を立てて扉がノックされる音が聞こえた。
「……誰だ？こんな時間に。」
俺は起き上がって扉に近づき、ドアを開ける。
時間帯が時間帯なため、少し警戒はしていたが、そこに立っていたのはゾムだった。
「あれ、ゾムじゃないか。どうしたんだ？」
俺がゾムにそう聞くと、ゾムは少し恥ずかしそうな素振りを見せ、口を開いた。
「あのな、一緒に寝て欲しいんやけど、ええかな？」
「……怖い夢でも見たのか？」
「そんな怖い夢にビビる歳やないわ！ただ何となくな、誰かと一緒に寝たかっただけや。」
「ロボロに頼めよ。」
「頼もうとしたけどノックしても起きんかった。」
「おっふ……。」
断ろうか一瞬悩んだが、お願いっとねだる子供のように俺を見てくる推しの顔に負け、俺は渋々了承した。
俺が首を縦に振った途端、パァッと効果音がつきそうなくらいの笑顔でゾムは喜んでいた。
一人用のベッドに青年2人が寝るには少し狭いが、ゾムは俺より身長が低いため、弟を寝かす兄のような気分を味わった。
何となく頭をポンポンっと撫でてやれば、ゾムは何かを懐かしむ表情で擦り寄ってきた。
「んー、こうして寝てみると、カルガンは父さんに似てるわぁ……。」
「……俺そこまで老けてないけど？」
「例えや例え、俺の父さんも一緒に寝た時頭撫でてくれたで？カルガンみたいに優しく。」
そう呟いたゾムの声は眠そうな声をしていて、瞳は眠気に勝とうとしてるのか、閉じたり開いたりを繰り返す。
「お父さんやなくて、お兄さんが良かったわ…。」
「カルガンの雰囲気はまんま父さんやな。」
「俺の事何歳だと思ってるんだ。」
「ククク……でも俺、カルガンの事…本当に……父さんみたいやって……思って……。」
声が聞こえなくなりゾムの顔を除くと、台詞の途中で寝てしまい、小さく寝息をたてていた。
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闇ちょこ(プロフ) - 続編…全裸待機してますね((ネコ、カワイイ…カワイイ(洗脳済み猫派) (2021年2月13日 9時) (
レス) id: 4dd7927ea0 (このIDを非表示/違反報告)
新月singetu - 続編！！めっちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月13日 8時) (レス) id: 040d4cbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 続編ですか！楽しみです！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: f025ecfe59 (このIDを非表示/違反報告)
恋漢(プロフ) - 初見ですが失礼します！！！いやもう簡潔で申し上げます(^^)........好きです！これからも更新頑張ってください！！めっちゃ応援してます！！ (2021年2月12日 0時) (レス) id: 6604cf1194 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - めっちゃ好きです！更新頑張って下さい！全裸待機してます(笑) (2021年2月11日 15時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオバナ@復元成功 | 作成日時：2021年2月7日 18時
