9話 ページ10
「甚八っ!!試合は?!?!」
バンッと扉を開くと甚八とアンリさんが試合を見ているところらしくモニターにはチームZとチームVのメンバーが映っていた。
「うるさい、お前は少しは静かにできないのか。」
「月姫さん。いないと思ったら…、今ちょうどいい所よ。」
こちらを見もせずに毒を吐く甚八の事は無視して急いでモニターの前に行くと後半A.T…残り3分か。
「え、ちょっと待って!なんで凪が自分で…ていうか何これ…え?」
どういうこと?この試合で一体なにがあったというのか分からない程に皆の能力が段違いに上がってる…!
その中でも特に潔くん、蜂楽くん、千切くん、國神くん、それに凪と御影くん、剣城くんも…!
ここまで何があったかはわからないけれど今試合は4対4でチームZは勝たなきゃ後がない状況。画面越しでも選手達の緊迫感がひしひしと伝わってきて喉の奥がひりついた。
潔くんを主体としたチームZの猛攻に必死で守るチームV。
なんだろうこの感覚…私がプレーしている訳じゃないのに心臓が早鐘を打って息がうまく吸えない。
そしてチームVのゴール前、激戦が繰り広げられる中ゴールを奪ったのは潔くんだった。
「…………なんて…試合なの…。」
ぽつりと呟くと甚八はニヤリと笑った。
「世界一のストライカーは世界一のエゴイストでなければならない。潔はゴール前で凪と1on1になった時に他の選手にパスを出す選択もあった。だがあいつは己のゴールで勝利を掴みたいというエゴを捨てなかった。だから自らのプレーの弱点である無駄を即座に思考し、判断し、想像し、勝利した。どうだ、これがブルーロックだ!最高だろう?」
「っ…!たしかに…今までの協調性を大事にしてきた日本のサッカーとは全然違う…けど、最高!!」
甚八はフッと笑うとアンリさんからなにやら紙の束を受け取りそのまま私に差し出した。
「
「もう次の内容決まってるの?」
「月姫さん今まで色んなチームのサポートに走り回ってたから大変だったでしょ?これからは少し楽になるはずだから。」
「え?楽になるって…」
「とりあえず今日は部屋に戻ってその資料を読んでおけ。それと、明日から1週間程今試合をしていたチームZとチームVのサポートをメインで仕事してくれ。」
「分かった。じゃあ私は部屋に戻るね。アンリさんお疲れ様です。」
頭を下げて私は自室へと戻った。
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めめ(プロフ) - 楽しく読ませていただいています!誰が喋っているのか吹き出し前に付けていただけるとよりわかりやすくて読みやすいなと感じました。更新楽しみにしています(^^) (2022年11月24日 0時) (レス) @page16 id: 046701b798 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋(プロフ) - ころりんさん» 夢主ちゃんは凪の事は苗字呼びだから名前呼びしてないです。だから凪は誠志郎って呼んでほしいっていう意味で言っています (2022年11月21日 0時) (レス) id: d41fc0cc07 (このIDを非表示/違反報告)
ころりん - 4話の名前について話してるくだり、もう名前で呼んでるのに名前で呼んで欲しいってどういうことですか? (2022年11月18日 21時) (レス) @page5 id: d13e34f292 (このIDを非表示/違反報告)
機関車トーリマス - 面白いです!最高です!続き待ってます! (2022年11月8日 5時) (レス) @page14 id: b3f1cd4664 (このIDを非表示/違反報告)
オタなーん - 面白いです! (2022年10月26日 15時) (レス) @page7 id: e0d32b81e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋 | 作成日時:2022年10月2日 23時