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彼女が両手を広げ、そのままの状態で動かなくなるので問いかける
「"プレゼントだよ"って言った?」
彼女がこてりと首を傾げる姿に心を撃ち抜かれる
「うん、言ったよ」
少し考えて思い浮かんだことがあったが、いや、それは違うか
いやでも文脈や行動的にこれって……
「プレゼントなの?」
思わずニヤけてしまう頬を手で覆う
「うん。私がプレゼント」
彼女に近付いて頭を下げる
「ありがとうございます」
彼女が心底面白そうに笑う
そして俺が彼女の肩紐を片方だけを下ろすと、上機嫌な声色で言われた
「ちゃんとラッピングをイメージして、赤い下着を買いました。おニューです」
サプライズだった。それに、今まで赤色の下着なんて見たことがなかった。何故俺がこんなにもテンションが上がっているのかというと、取り分け赤が好きとかではなくて、このために赤色のをわざわざ買ってくれたのが可愛かったからである
「ほんとにプレゼントじゃん」
可愛いなぁと思っていると、彼女が自らの手でもう片方の肩紐もするりと落とす
「プレゼントが届いたら、ラッピングは解かなきゃだね」
その煽り文句に、俺はちゃっかりと乗せられてしまったのだった
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後日談
「物以外もなにかプレゼントしたいなって考えた時に"私がプレゼントだよ"は王道すぎるし自意識過剰かなって思ったんだけど、大丈夫だった?面白いかなって思っちゃって、つい」
「いやいやいや、最高だったね。ありがとう」
「それなら、うーん……良かった笑 ほんとは赤いリボンとかも用意してたんだけど、いっぱいいっぱい過ぎて恥ずかしくて言えなかったんだよね」
「え、何に使うんですか?」
「それは分からないですけど、ラッピングに使うんじゃないですかね?」
「ふーん……」
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作者名:ゆぢ | 作成日時:2023年12月21日 16時