893パロ 🌸 ページ7
893組長🌸と組長に拾われた🚹
目の前の大型犬を見て、どうしたものかと頭を捻る。この子はどうやら俺以外の令や話すらも聞けないらしい。周りの組員はAの対処にてんやわんやだった
なにより暴力を振るうことに一切の躊躇がないらしく、抑え込むのにも彼のパワーが強すぎて振り払われてしまうのだとか。それでも同じ組員に手は出さないので、暴力を振るいたいというよりは他の組に対しての敵意が高いのだろう
周りはこの子のことを狂犬と表すが、俺には大きな犬にしか見えなかった
買っておいたチョーカーを引き出しから取り出して、彼の首に回して留める。黒を基調としたシンプルなチョーカー
「A、緊急時以外でこれを外したらいけないよ」
彼はじっとこちらを見ている。こういった接触は苦手としていると思っていたが、案外そうでもないみたいだ
「はい、分かりました。」
こんなにもお利口さんなのに、何故周りの言うことは聞かないのだろう。これは俺からお願いするしかないのかな
「今夜俺の部屋においで」
彼の頭をくしゃりと撫でた
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「あれ、Aさん。首元赤くなってませんか？」
幹部兼次期組長候補のAさんがいつもしているチョーカーを外して大切そうに眺めている所を見て、つい話しかける。彼の首元にはくっきりとチョーカーの痕がついてしまっていた
「うん、緊急時以外は外してないからね」
下っ端である俺にすら優しく接してくださるAさんも、昔は手をつけられない程の狂犬だったらしい。なんでも、組長の言うことは聞くがそれ以外に聞く耳を持たなかった上に強すぎて制御できなかったとか
「そうなんですね、痛くないんですか？」
彼は自分の手を首に当て、指の腹でスーっと痕をなぞる
「うん、俺はあの人の犬だから。首輪をするのは当たり前でしょ？」
その姿が目に毒すぎて思わず目を逸らした。なんだこの感覚
「君、ウブだね」
彼からくすくすと笑われる
ドキリと心臓が音を立てて、俺は慌てながら「それじゃあ、俺はここらへんで……し、失礼します」と言い、その場を離れた
その後、部屋から出て廊下を歩いていると組長の香りがした。俺は辺りを見渡すも、どこにも組長の姿は見えなかった
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作者名：ゆぢ | 作成日時：2023年12月21日 16時
