短編2 (ページ46)

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ヘルプミー！ 🌸と👑 ページ46

🌸と👑

誰か助けてください。私は飲み会に参加しながら、心の中でそう叫んだ。

「Aさん、次何飲む？」

左隣のらずさんからドリンクの追加注文を聞かれる。大分砕けた雰囲気の彼は酔いが回ってきているようで、先程から距離が近かった。

「えっと、ハイボールを……飲みたいです。」

「分かった、注文しとくね。」

彼が頭を私の肩に乗せてくる。ダメだ、確実に酔っ払ってる。酔うと距離感が近くなる人だと思っていなかったので、どう対処すれば良いか分からなかった。ここであからさまに距離を取っても、なんだか酔っ払いの絡みを本気にしてしまってる感じがして嫌だし、そのままにしておくのも心臓が持たなそうだった。

そうやって悩んでいると、右手に何かが当たる感触があった。見てみると右隣のねすさんの左手が重なっていた。

やばい、左から逃げたすぎて右手を遠めに置いてしまっていた。ねすさんを嫌な気持ちにさせてしまったかも、そう焦っているとするりと手を握られる。

「え……？」

思わず声が漏れてしまい、急いで口周りの筋肉に力を入れ口を閉ざす。頭の中がグルグルとして混乱してきた。

ねすさんが私の右手を指の腹で優しく擦ってくる。え……えっちすぎる。彼から与えられる衝撃は私には刺激が強すぎて、ただただ卓上の枝豆を見つめることしかできなかった。

「んふふ」

すると、らずさんが笑いながら私の肩に頭をグリグリと押し付けてくる。なんだそれ、可愛すぎないか？そういうのは私じゃない人にやるべきですよ。

彼は上機嫌に笑いながら言う。

「ピアスきらきらしてるね」

私の耳にあるピアスに興味津々のようだった。それはいいんですが、そんなにも近くで話されるとくすぐったいです。

彼がフニフニと左耳を触ってくる。

「あの、らずさん……っ、くすぐったいです。」

「んー」

私の声は聞こえていないのだろうか。らずさんはピアスをしている耳たぶを弾力を確かめるかのように触ってから、輪郭をツーっと撫でて遊んでいる。その感触と彼の息がかかって体が震える。