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朝の教室で
窓から外を眺めていると、丁度登校してきたAさんがいた。
彼女はこちらを見あげると笑顔で手を振ってくれる。俺はそれに控えめに手を振り返すのが精一杯だった。初めて話した学年集会以来、彼女は宣言通り学校内ですれ違ったりする時に手を振ってくれるようになった
"朝から眩しい笑顔だなぁ"と勝手に元気をもらいながら彼女を見ていると、隣にしょうたがやってきて話しかけてきた
「え、くるず今Aに手振ってなかった？」
俺の顔と彼女を交互に見ているその表情には驚きが全面に出ていた。そうか、彼女としょうたは仲がいいんだっけ
「うん。この前の学年集会で仲良くなったんだよね」
すると、下から彼女の元気な声がした
「くるずくん、しょうたおはよー！」
ブンブンと手を振る彼女に俺らも手を振り返す
「おはよう。おまえ今日は遅刻してないやんけ」
しょうたが彼女を茶化す。そういえば、朝に廊下を走る彼女の姿を何回か見たことがあった
「えへへっ、今日は間に合った！」
そう言ってピースサインを掲げた彼女に思わず笑みが零れてしまう。まるで太陽みたいだな、なんて。
「おー、偉い偉い。毎日それで頼む」
そう言ってしょうたが軽く拍手をするので、それに続いて小さく拍手をする
「任せろー！」
彼女がそう言ってから校内に入っていった
すると、しょうたがこちらに距離をつめ小声で話し始める
「くるずお前、Aのこと好きだったりする？」
彼から聞かれたことが突然のことすぎて困惑する
「え、いや？いい人だなとは思うけど」
「そうか。もし、今後あいつを好きになったら俺に言って。全力で協力するから」
"しょうたってAさんのことが好きなのかな？"と思ったが、予想とは全く違う話をされ、頭の中がはてなマークで埋め尽くされる
「どういうこと？」
「Aを見てれば分かると思うけど、あいつを好きなやつってマジで多いんだよ。ライバルがめっちゃいるの。」
それと応援がどう繋がるんだ？そう疑問に思ったのが伝わったのか、しょうたから続けて言われる
「くるずめっちゃ良い奴だから、幸せになって欲しいんだよ。兎に角、好きになったら言ってくれ」
そう言って肩を軽く叩かれた
「分かった……」
俺は困惑したまま、そう言葉を返した
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作者名：ゆぢ | 作成日時：2023年12月21日 16時
