短編2 (ページ40)

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続き

学年集会が終わり、先生や各所から事務連絡が行われる。この頃になるとみんな終わり際なのを察してか、体育館内はザワザワとしていた

かくなる私も彼のことが気になって、斜め後ろをチラリと振り返る。彼は配られたプリントを整理しながら先生の話に傾聴していた

私は彼と友達になれるかもしれないことがただただ楽しみだった。落書きのしてある自分のプリントを半分に折って纏める

起立の号令がかかることもなく、座ったまま礼をしてA組から教室へと帰ることになる。周りがドンドン立ち上がっていって、こうなってしまうと不真面目な私はその場から動いてしまう。私は彼の元へ人と人の間を縫いながら歩いた

彼の視界に入って話しかける

「やっほー、今日の学年集会体感短くなかった？」

彼は現れた私にビックリしたのか、数回瞬きをしてから話す

「そうだね。話聞いてたらあっという間だったよ……ちょっと、眠かったけど」

そう言って笑ってくれた。なんて優しい人なんだろうと思いながら会話を続ける

「五時間目はしょうがないよね〜ご飯の後は眠くなるもん」

うんうん、と頷いてくれている彼に自己紹介をする

「あ、名前聞いたことあるかも。しょうたと仲良いよね？」

くるずくんのクラスも移動が始まって、私もその流れについて行く。周りがガヤガヤしていると、より話しやすかった

「うん。その感じ私の名前だけ知ってくれてた感じ？」

出入口で体育館履きから上履きに履き替える

「え、うん。なんで？」

そう彼が聞いてきたので、さっき目が合った時の話をする

「いや、目が合った時手振ってくれたから。顔と名前一致してるのかなーって思って……てことはくるずくん、そうとうノリ良いね？！」

私が驚きながらながら話すと彼は口に手を当てて笑った。あ、その仕草めっちゃ可愛い

「いやいや、ノリ良いのはAさんの方だよ。俺初めてだよ、はじめましての人に手振られたの」

「まじか、急に手振ってごめんね。」

「ううん。大丈夫」

そうやって笑ってくれて嬉しくて、もっと仲良くなりたいなと思って、私は彼に提案する

「また手振ってもいい？廊下で会った時とか」

「え？うん、俺で良ければ」

「やった、ありがとう！」

私は彼がそう言ってくれて心底嬉しかった。これからはくるずくんを見かけた時は手を振ろう