短編2 (ページ36)

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君は 💫 ページ36

💫

神様が大きなフォークで海を混ぜ合わせる。大陸がくっついたり離れたりして、緑と青がマーブル模様になっていた。私は宙に浮きながら、遠くから地球を眺めている。恐らく長い時間が経って、地球に生命が誕生したところで私はその場から移動する

この暗い場所が、宇宙。私はそこにふよふよと浮遊しながら月に着陸した。うさぎがこちらにやってきて挨拶をしてくれる。カニもワニもロバも犬もみんな

「あれ、はじめまして」

少し離れたところに話す生き物がいた。言葉を喋るのは、神様と私以外にはじめてみる

「はじめまして。月が綺麗ですね」

私は丁寧にお辞儀をしてみせた。彼は神様と似た形状をしているが、どんな生き物なんだろう

「えっと、そうですね。あのー、あなたは？」

「私？私は……なんだろう？」

神様ではないような気がする。けど、私の視界には神様と似てる手が二つある。そもそも私ってなんでここにいるんだろう？誰が私を作ったのだろう。神様？それとも宇宙？

「というか、ここどこですか？」

私が思考していると彼がそう言いながらとても不安そうな顔をしたので、思考を取り止めて彼に近づいて両手を取る。大丈夫だよと、そう祈りを込めて精一杯笑いかける

「ここはね、月の上だよ。宇宙ともいうね。」

そして私は、なんなんだろうね。君と似てる手と足を持っているから同じ生き物なんじゃないかな？

彼の瞳がゆっくりと瞬きをする

「月の上……宇宙」

ゆっくりと言葉を咀嚼してくれたようで、私は嬉しくなる。その行動は他者を理解しようとする、或いは寄り添ってくれているような気がして。胸がとても温かくなった