短編2 (ページ33)

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ポプラの綿毛 🐙 ページ33

🐙

「ポプラの綿毛って知ってる？」

彼が雪だるまを作っているストーリーを見たあと、お家でぬくぬくしている様子を見ながら問いかける。今日は気温が低くて外では雪が降っていた

まるで、ポプラの綿毛が降ってきたみたいだなと思って……そう彼に問うた

「なんそれ、綿毛？」

彼がそう言って首を傾げるものだから、愛おしいやら可愛らしいやらなんやらで胸がいっぱいになってしまった。自分の口から笑い声が出そうになる前に言葉を紡ぐ

「初夏に北海道とかで、ポプラっていう木の種子がふわふわと舞うんだけど、その様子と雪が降ってる様子が似てる気がして」

彼はふーん、と声を漏らして小さく何回か頷く

「夏、北海道行く？」

彼からのいきなりの提案にびっくりして固まってしまう

「えっと、それは……2人でってこと？」

暖房の風が頭を撫でる。外はあんなに冷たくても、お家の中はこんなに温かい

「そう。シーズン的に初夏は厳しいかもしれないけど」

私はこんなにも困惑しているのに、彼は全く平然としていて不思議な感覚だ

「なるほど……良い、ね。北海道」

まるで普通のことみたいに言われたので、私はなんとか言葉を振り絞って賛同する

「食べ物とかめっちゃ美味しいんじゃね？うわ、今から既に楽しみになってきた」

彼がそう言って笑うと、私もつられて笑顔になってしまう。彼と一緒ならどんな場所でもどんな未来でも、最高に楽しいんだろうな