短編2 (ページ22)

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コンビニでの買い出しが終わり、自動ドアをくぐり抜け帰路に着く

「Aさん、あの」

隣で歩いている彼から話しかけられたが言葉の続きが来なかったので、どうしたのだろうと顔を覗き込む

「大丈夫ですよ、ゆっくりで良いですからね」

彼が白い息を吐く。夜はやはり冷え込むなぁ

「自分黒髪にしたんすけど、どうすか？」

そう聞かれて本人から言われる分には触れても大丈夫かなと思い、思ったままの言葉を綴る

「黒髪もとってもお似合いです！金髪の時とはまた違った印象になられましたね」

彼から空気の多めな笑い声が聞こえる

「ホントすか？めっちゃ嬉しい。Aさんに何も言われなかったから、あんまり良くなかったのかなって思って」

自分の耳を疑うような言葉が聞き取れた

「いやいやいや、それは絶対に無いです！ただ、みんなに沢山言われてるだろうから髪色について触れるのはナシかなぁって思って」

ほんとに、似合ってます。かっこいいですよ。と何度も伝えると、どうやらちゃんと伝わったようで彼が顔を両手で覆う

「いや、大丈夫っす。そんな褒めないでください」

彼の赤い耳が見える。夜風が冷たかったのだろうか

帰ったら温かい飲み物を淹れて、みんなで飲もうかな

「褒めてるつもりはないんですけどね。ただ事実を列挙してるだけというか」

そう言うと彼が言葉にならない声を発してから走り始める

「GONさん？！待ってください！」

彼の後ろ姿を追いかけながら帰った

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「ごんぬ良かったじゃん、Aさんに褒められて」

「いや、あの人やばいわ。マジで人たらしすぎ」

「とか言ってるけど、さっきまで"Aさん黒髪好きじゃないのかなぁ…！"とか泣いてたのは誰だっけ？」

「泣いてねぇよ！誇張すんな」

「はいはい。てか、コンビニ一緒に行って正解だったじゃん。俺らが背中押したんだからな」

「恥ずかしくてコンビニ一緒に行けないくらいAさんのこと好きって……ちょっと怖いわお前」

「そんなんじゃねーし。コンビニなんて余裕だわ」

「じゃあ次サシ焼肉ね」

「は？ムリムリムリ。」

「俺らがセッティングしてやるよ。別テーブルで予約して遠くから応援するわ」

「オマエら終わってる」