短編2 (ページ1)

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飲みの席の口約束 🌸 ページ1

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アルコールが回り頭がふわふわとして体が熱かった。卓上のおつまみは半分を切り、飲みの席も後半戦となっていた

覚束無い思考の中、私が同級生の結婚式に参列した話の流れでお互いの結婚について話し合った

「俺はもう、普通に結婚してっていう生活は送れないと思う」

目の前の美丈夫は何を言っているのだろう

「lazで無理なら私も無理」

枝豆を貪る。絶妙な塩っけがクセになるしお酒が進む

「30まで分かんないんじゃない？」

区切りとしてね？でも30歳なんてあっという間なんじゃないかな

「30になってもお互い恋人いなかったら結婚せん？」

シラフならこんなこと言えないなぁとぼんやり思う

「お、いいね。そうしよう」

……めちゃめちゃ酔ってるな。めちゃくちゃな提案を承諾した彼の表情を見る。よく見たら顔が赤いし、少し舌っ足らずだ

店員さんにウーロン茶を二つ注文する。ごめんなさい、ノンアルで。少し休憩したらまたアルコール飲みますので許してください

許しを乞いながら飲むウーロン茶は身に染みた

その後ウーロン茶休憩を終えてお酒に戻り、卓上のおつまみも全て食べたところでお会計をする

何故か彼が全額払うと言って聞かなかったので、武力行使で会計票を取り上げようかとも考えたが私は大の大人なので止めた

お店を出て夜風に当たりながら取り敢えず駅を目指す。足取りはフラフラ。それでも何とか駅に着いて、懲りずに"また飲もう"と約束して解散する

次の日

頭痛は少しあるが、途中のウーロン茶休憩が効いたのか、すぐに動ける状態で起きることが出来た

"30になってもお互い恋人いなかったら結婚せん？"

自分が良くない発言をしたことを思い出し後悔する。酔っ払いの言葉だし、大丈夫だとは思うが

まって、私が大丈夫じゃなかった。恥ずかしすぎる

lazが覚えていませんように、そう願って無力にも両手を合わせた

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「酔っていようが、約束は約束だもんね」

男は優しく微笑んだ