君が僕を思い出すまで。 (ページ10)

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ジャミル先輩は「食事の準備をする」と言って食堂に向かった。カリム先輩は、一年生の部屋分けをテキパキとこなしている。

「…よし！これでいいな！」

何故か私が最後の一人になり、他の生徒が部屋に入っていく中、忘れられているのかと不安になる。

「Aはこっちだ！」

カリム先輩に手を引かれ、1年生の部屋よりも一回り大きい部屋に案内された。

「えっ！？」

「Aの部屋はここだ！」

本棚やダブルベットが完備していて、私が使うと思えば、頭がグルグルした。

「いいですよ！！私には贅沢すぎますって！！」

「でも、空いてる部屋はここしかないぜ？」

純粋な瞳で私を見てくる彼に喉を鳴らし、降参した。

「ぐぅっ…わ、かりました…」

「それに、」

カリム先輩が扉を閉めて、小さな声で言った。

「A、女だろ？」

「っ…！？」

なんで、しってるの

「なんで、」

「昔よく遊んでたんだから、それぐらいは覚えておかないと！」

遊んでた？

私が、カリム、と？

あだまが、いだい

「A！！」

視界が、右に揺らいだ。