君が僕を思い出すまで。 (ページ40)

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「歴史書ってどこにあんのこれ…」

広々とした図書室にため息を吐いた。

寮生の反応からして、私の親は有名人だったんだと思う。そして、カリム先輩の対応からして、なにか関係があったんだと思う。

ちょっとだけ、先っちょだけだから()

というのも、ここからどうやって探せばいいのか。

「ん？」

頭上を見ると、案内板があった。

「…あるじゃん」

恥ずかしさを押し殺し、番号の書いてある棚まで急いで歩いた。

「えーと…これか？」

案外低い位置にあってあっさり見つかった。表紙には何も書かれておらず、何より少し汚れていた。

適当にページをめくっていくと、年表を見つけた。

「カリム・アルアジーム様の誕生…」

その下には、「従者ジャミル・バイパーの誕生」と書かれていた。

「ジャミル先輩、従者なんだ…」

まぁ、そうだよな、とページをめくる。

「あ、」

上から4番目の所に、「A・マーテル様の誕生」と書かれていた。

「様つけなくていいのに…」

ぼやきながらも、下に目をやった。