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「…さて、と」

呼吸使っちゃったし、なにより疲れた。

私は、昨日ぶりの甘味処へと足を運んだ。

「いらっしゃい」

優しい雰囲気を纏うおばあちゃんに笑みがこぼれながらも、私は外の席を指定した。

「羊羹と、緑茶と、あとおはぎください!」

「はいよぉ」

注文が終わり、外にある椅子に腰掛けた。

今日は晴れていて、絶好の昼寝日和だ。まぁ、こんな時に来る任務が一番嫌なんだけどね。

暫くぼーっとしていると、「おまちどうさま」と、甘味と緑茶が運ばれてきた。

「ありがとうございます!」

おばあちゃんが中に戻り、まずは羊羹を一口ぱくりと口に入れた。

「うはぁ…」

ここの甘味は美味しすぎるんだよほんとに。そんでおばあちゃんも最高なんだよな。

そして、緑茶を啜った。これもまた美味しいに決まっていた。

「よォ」

声の方を見ると、不死川くんが頭を掻きながら私の横に座ってきた。

嬉しくなって口角が上がる。

「不死川くん、おはよ」

「朝から甘味かよォ」

「ちょっとね、疲れちゃったから」

2人の話はあえて言わずにいた。

「あ、おはぎ食べる?」

「いや、お前が食べてる姿見とくわァ」

「おはぎ食べてもいいのに」

「それはお前のだろォ」

「まぁそうだけどさ…ね?」

不死川くんにおはぎだけを乗せたお盆を渡すと、微妙そうな顔でそれを見た。

「ほーら、食べて」

「いいって言ってんだろォが」

「…仕方ないなぁ」

私はお盆を置き、そのままおはぎを手に取った。

「はい、あーん」

「あァ!?」

「ほら、口開けて」

「…」

不死川くんは口を開け、おはぎをぱくりと一口食べた。

「はい、よくできました〜」

子供っぽく扱うと、不死川くんの顔がみるみるうちに豹変した。

「…」

「…おばあちゃーん!お金置いとくねー!」

懐から出した小銭をお盆の上に置くと、私はその場から逃げ出した。

「待ちやがれェ!!!」

「ごめん!!!ごめんって!!!!」

屋敷の敷地内へと入り、周りの目も気にせずぐるぐる追いかけ回された。

「うわっ!!」

途中、石に躓き体が前のめりになる。

走りすぎて体に力が入りにくい。


ぐいっ


「危ねェだろうがァ!!!」

不死川くんに腕を引かれ、距離が近くなる。

「ご、めん…」

いつもよりも、心臓の跳ねは大きかった。

伍→←参



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作者名:すいへ | 作成日時:2021年8月17日 22時

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