検索窓
今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:3,068 hit

拾伍 ページ15

「まさかバレてるとはねぇ…」

「よりによって御館様かよォ」

御館様からの司令で、私たちは近場にある隣町に鬼を狩りに来ていた。

ついでに付き合ってる事も見透かされた。

食べ物や西洋の衣類が栄えていて、人通りも多い。

「まぁ仕方ないよ。広められる心配もないし」

「そうかァ?多分やりそうだけどなァ」

「…まぁ、広めていない事を祈ろう」

目撃情報があったのは、夜の商店街だった。普通いないと思いがちだが、1時になれば商店街の街灯以外の明かりは全て消えるという。

「怖いねぇ」

「俺が居るから心配すんなァ」

「頼もしい彼氏さんでよかった」

私たちは鬼殺隊専用の服屋に入り、それぞれの服に着替えた。

「あっ、着替えるの早いね」

店の外に出ると、着物姿の実弥くんが店の壁にもたれかかっていた。

「…似合ってんなァ」

「ほんと?実弥くんもかっこいいよ」

「…行くぞォ」

「あ、照れてるー」

「…うるせェ」

私たちは商店街の中を通り、偵察兼観光をしていた。

その時、



「A!!!」



聞きたくもなかった声の後、私の手首が掴まれた。

振り向いてみると、案の定「それ」だった。

「…どなたですか?離してください」

「A!!あの時は俺が悪かった!!もう一度、家族をやり直さないか??」


「おィ」


ドスの効いた低い声を出した実弥くんによって、それの手が私の手首から剥ぎ取られた。

「私に家族なんていません。鬼に食べられました。義理の父親なんて言う人もいません。では」

「A!!待て!!待てよぉぉぉぉ!!!」

私はそれの言葉を無視して、実弥くんの手を引いて見つからなそうな店の中へ駆け込んだ。

「いらっしゃいませ、空いている席へどうぞ」

店員さんに誘導され、人の少ない端の席へ座った。

「ご注文はどうされますか?」

「ラムネを二人分、お願いします」

「かしこまりました」

店員さんが店の裏へと行くと、実弥くんはふぅ、と息を吐いた。

「…んで、あいつはなんだァ」

「…まぁ、そうなるよね」

いつかは話すかと思ってたけど。



「あの人は、私が11の時に亡くなった父親の代わりに父親になった人。まぁ、私は父親なんて1回も思ってもいなかったけど」



「…そうかァ」

理由を追求しない彼は、私の事を考えてくれているんだろう。

店員さんがラムネを持ってきたのをきっかけに、私のご飯についての話題に変更になった。

拾禄→←拾肆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 風柱
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すいへ | 作成日時:2021年8月17日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。