夜の雫【百合】 (ページ8)

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ろーくページ8

早乙女さんは私の方を見てニヤリと笑うと突然立って

｢なんかごめんね！私そろそろ帰らないと｣

ちらっとスマホを見るともう5時。

夏だからまだ明るいけど今日はもう帰らなきゃ。

夜ご飯を作らなきゃ行けない。

『あっいや私の方こそなんかごめんなさい！』

ん～と不満気な顔をして早乙女さんが口を開いた。

｢あのさ、みやびって呼んでいい？｣

照れくさそうに言う姿は本当に可愛くてつい見とれてしまいそうになった。

『あっはい！良いですよ！。』

嬉しすぎて少しがっつきすぎてしまった。

｢敬語もやめて欲しいな！みやび！それと……私の事もねむりって……呼んで欲しいな！｣

嬉しすぎて泣きそうだった。

今までこんなことはなかった……こんなふうに接してくれる人は居なかった。

『あっありがとう……ねむり……ちゃん……』

急に呼び捨てで呼ぶのは少し恥ずかしくて恥ずかしくて。

｢あははっなにそれー、もっと気楽でいこーよ、今日から友達なんだからさ｣

……友達？私たちが友達？

友達。

久しぶりだ、こんな温かい気持ち。

こんなに、優しい子なら私も……。

いや、やめておこう、夢を見ないように。

期待しないように。

でも……今だけは少し

【友達ごっこ】

を楽しませてよ。