最悪の呪詛師の妹は【呪術廻戦】2 (ページ34)

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◾️◾️純side

ｻﾞｼｭｯ

軽快な音と共に緋が吹き出た
純「ガハッ…」
急所を斬られたらしい。
僕、宙に浮いてるのによく狙えたね、あの子。
ヒュウ、と風を切る音。
あ、これ落ちてるな、なんて考えながら無抵抗に地面へ落ちていく

何かしないと、何かしないと、僕死んじゃう。
でも、僕の体はピクリとも動かない。
体が鉛のように重い。
空から落ちて落下死。
いや、頭蓋骨が割れて陥没して死ぬかな？
これって何死？
…もういいか。

ふと、昔のことを思い出した。

.

《ねぇ、お母さん、アレ何？》

《え、…純？何を言ってるの？》

家は一般人(猿)の家で、僕の両親は〝ナニカ〟を見える僕を嫌った。

虐待…を受けているとは、当時では気づかなかった。

殴られるのは愛。

蹴られるのも愛

罵声を浴びさせられるのも愛。

当時の僕は愛に飢えていたんだと思う。

二つ下の妹だったかな、

そんな感じのやつに、両親は〝ナニカ〟を見える僕にはくれない〝愛〟をたくさんあげてた。

それが、羨ましかったんだと思う。

気がついたら、妹からは赤い血が流れてた。

両親は僕を今以上に責めた。

何で？

そっちが悪いんじゃん。

妹ばっかり手を焼くから。

僕が嫉妬しただけでしょ？

たったそれだけだったのに。

警察が来た。

車に乗せられそうになった。

でも、

《大丈夫かい？》

傑(ヒーロー)が助けてくれたんだ。

《純は痩せているね、もっと食べないとダメだよ》

《暖かい布団で寝よう。…今日は私の隣で寝てね》

《私の家族に非術師(猿共)が触れるな》

傑からは沢山の愛をもらった。

受け止めきれないほどの愛。

家族も貰った。

すごく、嬉しかった。

でも、

そんな幸せな時間も、奪われた。

百鬼夜行。

傑が死んだらしい。

家族で対立して、

僕はどっちにつけばいいか分からなくて

そんな時、傑が帰ってきた。

前の傑とはちょっと違った。

なんというか…、雰囲気が？

よく分からないけど。

傑に言われるまま、僕は術師を殺した。

もしかしたら、僕を今以上に愛してくれるんじゃないなって、少し期待しながら。

…まぁ、誰もいなかったけどね。