15 Rabbit ページ16
数分後。
犯罪グループのアジトには、1人しか立つものはいなかった。
そう。入間銃兎1人しか。
『…………なんで最後の最後に私、銃兎さんに背負い投げされたんでしょうか』
私は地面に転がり、仰向けになってメガネの彼に問う。
「自分の胸に手を当てて考えなさい」
2人でグループの全員を倒したと思ったら急に視界が反転した。
銃兎さんに背負い投げを食らったのだ。
そりゃね?ちょっとは力の加減してくれたんだけどさ。普通部下を投げる?しかも私女!!
絶対「胡散臭い悪徳警官」って言ったのと、銃兎さんの豚箱発言を笑ったからだよね。
『銃兎さんほんっとに根に持つタイプですね。そんなんじゃモテませんよ』
そう言って身体を起き上がらせると「余計なお世話だ」と、デコピンされた。
解せぬ。
身体についた土埃をはらい、銃兎さんを見る。
目の前の人物は無傷だった。
強いて言えばスーツが少し乱れているくらい。
……うん。
『あーもー、誰だよ!!入間銃兎が捕まったって言った人!奥の部屋でボスにボコられてるんじゃねぇの?って言った人!!銃兎さんめっちゃ無傷じゃん!!
心配して損した!!!』
その言葉を聞いて、入間さんは流れを理解したようだ。
「なるほど。
……でも貴方は私がやられるはずないと。ここに来て犯罪グループに立ち向かってくれたんですよね?」
ニヤリと彼は笑う。
『だって銃兎さんは強いって知ってますもん。伊達に兎コンビって言われてないですよ。だから、あんなゴロツキにやられるはずないって……
……信じてました。』
銃兎さんは目を少し見開いた。
そして。
「……信じてくださってありがとうございます」
そう言ってふわりと笑う。
そう。ふわりと。
『っ!!!!』
え、この人の笑顔ってこんなに綺麗なの?
『初めて見た……胡散臭くない笑顔……』
あ。また口から出てしまった。
「…………」
急に視界が暗くなる。
『うわ、何も見えない』
手で目を隠されたのだ。
『なんですか。手を退けてくださいよ。見られるの恥ずかしいんですか?』
「うるせぇよ」
視界が明るくなった。
手をすぐに離されたようだ。
再び銃兎さんを視界に入れた時は、もうあの笑みは消えていた。
『ちぇっ。珍しかったのに』
ビシッ
デコピンをされた。
『痛い』
相変わらず腹立つなぁ。
さっきの笑顔が凄く格好良く見えて、不覚にも少しときめいてしまったのは絶対に口に出してやんない。
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胡瓜しらす(プロフ) - キエェェェエエェェェエエエエエェエェェエエエエエ尊い………… (2021年4月25日 16時) (レス) id: 25950665d2 (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼きポン酢 - 最高すぎます (2021年4月2日 13時) (レス) id: 2041172a3b (このIDを非表示/違反報告)
ヒプマイlove - 最高すぎです。もうなんなんですか!キュン死するかと思いましたよ!大好きすぎてどうしたらいいんですか。本当にありがとうございました。こんなに素敵な小説初めて出会いました!!かっこよすぎ!次、理鶯さん(最推し)がいいな…(上目遣い)すみません。図々しくて… (2019年8月30日 0時) (レス) id: 8a3696dd70 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ヤバいです!カッコよすぎる銃兎さん…!!応援してます!これからの作品もがんばってくださいね! (2019年8月1日 16時) (レス) id: 86ef9860a7 (このIDを非表示/違反報告)
メビウス(プロフ) - 返信がとても遅くなってしまってすいません(--;) 45Rabbitのところに気づいてもらえて嬉しいです!地味に数合わせ苦労したので...(;´ω`) 最後まで読んでくださってありがとうございました!! (2019年6月5日 1時) (レス) id: 75ad7ad27c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メビウス | 作成日時:2019年2月16日 18時