【BTS】性別不詳のソロアイドル (ページ49)

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ていうか、メールって言うと…お誘いの？あれ、マネージャーさんじゃなくて自分で送ってたのか。にしては丁寧な言葉遣いだったな。
…まさか、送り間違え…？

「…その、メールが、どうかしたんですか…？」

恐る恐る聞くと、彼女は肩をビクつかせてたどたどしく話し始める。

「あ、後になって！読み返して、その…文章、すごい拙いし…まずお会いしたいだなんて、とても烏滸がましい事を…！」
「…ん？待って待って、話が読めない。え？」
「えっ？あ、その、えっと…！」
「あ、ちょっ、とりあえず落ち着こう。座って。自己紹介から始めよう？」
「っあ、はい…！」

まずい。年下と話すのが久しぶり過ぎて距離感が分からない。年下な上に別事務所の後輩なんて接し方が分からない。

ウゥン…と唸っていると、彼女が深呼吸をして話し始めた。

「…は、初めまして！--プロダクション所属、スイーツエンジェルズのエクレア担当！榎田紅愛(えのきだくれあ)です！」

…おお…若いな…。
スイーツエンジェルズって、絶妙にダサいけど。いや、逆に覚えやすくていいのかな。

「…ありがとう。ご存知だろうけど一応…自分は～～ミュージック所属で、無性別のソロアイドルとして活動しているMWと言います。よろしくね。」

スッと手を出すと、彼女は目を見開いて恐る恐る私の指先を掴んだ。
手先がとても震えてる。握手会にもこんな子いたな。

試しにクイ、と引っ張りきちんと握手をすると、彼女は声にならない悲鳴をあげた。
なんだか可愛くて、少し笑みがこぼれた。

…あれ？そういえばこの子って、もしかして…

「……江ノ暮(えのくれ)、さん？」
「…へ…？な、なんで、私のネット名…」

彼女は目を丸くして私を見る。
…うん、当たりだ。この人…

「…あははっ、やっぱり。握手会に5回も並んでくれた人だ。」
「…えぇっ？！お、覚えて…？！っていうかあたし、あの頃と全然違うのに…！」
「そんな。今も昔も、変わらず可愛いよ。…ああでも、今の方が綺麗さが増したね。」

そう言って髪を掬うと、彼女は顔を真っ赤にして両手で隠してしまった。
…ちょっとセリフが臭すぎただろうか。共感性羞恥起こしてたらごめん。

「…オフでも、こんななんですか…？」
「…？こんな？」
「…イエ…。」