【BTS】性別不詳のソロアイドル (ページ34)

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『すみません、取り乱して…』
『いいよいいよ。溜め込むのは良くないからね。』

結局メイクはぐちゃぐちゃになってしまい、1度落として自分で簡単なナチュラルメイクを施した。
ホソギヒョンはメイクが変わった私を見ても、何かを言うでもなく、ただ優しく笑ってくれた。

『相談とかしないの？マネージャーとか。』
『…マネージャーに、あんまり心配かけたくなくて…いつも1人で何とかしてました。』
『アイゴ〜ダメだよそんなの！1人で抱え込むのが1番良くないんだからね？』
「んぃっ、み、みあねよぉ(す、すみません)…」
『……っ、ふふ…っ』
「ほひょぃひょん(ホソギヒョン)、あぱよぉ(痛いです)…」
『あっはは！！』

頬をギュッと摘まれて、上手く発音ができないまま話すと、ホソギヒョンは手を離して大袈裟に笑った。
そんなに滑稽だっただろうか。

『んっふふ、ごめ…っ、はぁ、MWは可愛いね。』
『や、何処に可愛さ見出したんですか…。』
『んー？色々。そんな事より、少しはスッキリした？』
『……はい。ありがとうございます、ヒョン。』
『ん、どういたしまして。』

ホソギヒョンはそう言ってまた優しく微笑み、私の頭を撫でる。これが不思議とすごく落ち着くのだ。…日本語で兄ちゃんって呼ばないように気をつけよう。

『そうだ、さっき言ってたことだけど…』
『？はい。』
『…MW'sのみんなは、君の作った「MW」は勿論、君自身のことも好きだからファンになったんだよ。これだけは間違いないから、疑わないこと。』

『先輩アイドルからのアドバイス！』と、ホソギヒョンは笑う。
さっきまであんなに不安でいっぱいだったはずなのに、そんな一言で吹き飛んでしまった。勿論、疑うななんて言われても、全部は信じきれないけど…きっと私のファンには、そういった人も沢山いると思えた。

凄いな、アイドルは…ホソギヒョンは凄い。彼は名前の通り、本当に希望を届けてくれる人だ。
私もこんな風に、夢や希望を届けられるアイドルを目指したい。その為にも、もっとファンを知ろう。もっとファンに知ってもらおう。もっとファンと、MW'sと愛し合おう。

『…本当に、ありがとうございます。ホソギヒョン。…すごく心が救われました。』
『なら良かった。話ならいくらでも聞くからね。』
『…お言葉に甘えます。』
『ははっ、沢山甘えな〜！』

ホソギヒョンに頭をわしゃわしゃと撫でられる。ヘアメイクも台無しだけど、気分はとても良かった。